真剣な二人の喧嘩
再生するヘビを倒してさらに奥へと進む3人。
「それにしても、あのヘビにはまいったよ。まさか再生するなんて思っても見なかった」沈黙がきつかったのか、レイがヒカルに話しかける。
「あぁ。再生スピードが速くて避けるのに精一杯だった」
「お前よく避けられたよな?さすが怪人、僕らとは違うね~」
怪人って・・・と、そう心の中でつぶやくひな。
「じゃあお前も特訓するか?それなら体力がついて魔法も長く使える」
「いや、遠慮しとくよ」
「遠慮するな。俺とお前の仲じゃないか」
ニコニコとほほ笑むヒカルだが、それを見たレイはぞぞっと身体を震わせる。
「いいよ。ってかそれ素で言ってるの!?気持ち悪・・・ぶはっ!」
「んなわけないだろ、バカか」
レイはヒカルに拳骨をくらった。
確かになんか気持ち悪いかも・・・と心の中でつぶやくひな。
これはさすがに言葉に出すわけにはいかない。
「いって・・・」
「まったく。お前の体力が上がれば、女王も喜ぶだろうに」
「嫌だよ、なんで僕がそんなことしなくちゃいけないのさ」
「予知が見えて魔法が使えるというのは素晴らしいことだ。体力をつければ、この国に敵が現れても察知できるし、対抗する策も事前に確保できるじゃないか」
「・・・・僕には無理だよ」
「やる前からあきらめるなよ」
「それだったらヒカルが・・っ!?」
なにかを思い出したかのようにレイは口を塞いだ。
一瞬、ひなは「えっ?」と思ったが、わけがわからないのでヒカルの方を見る。
「レイ・・・お前は生まれ持った才能を伸ばすべきだ。今のままでは予知だけに頼りすぎている。いつまでも他の奴らに任せてないで、自分も身体を動かしてみろ。一日だけでもいい、訓練に来い。少しぐらいは体力がつくだろ」
「あぁ。わかったよ」
なんか静かになった。
今までのことがまるで嘘かのように、二人の雰囲気?というか態度が変わった。
ひなはまだ分からないままでいた。




