表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ソードマンライフ  作者: 双葉 怜
1/5

プロローグ

「ムサシ……? それが標的の名前か?」

 荒野の廃墟に響く声。

「まぁ、確かに標的だけど、人じゃない」

 返る声は握られた灰色の端末から。この世界で他人とつながる数少ないツールだ。

「人じゃない? どういうことだ、お前は殺し屋だろう?」

「それはこの前やめたって言ったじゃないか! 今は優しーい主のもとで働いてるんだよ」

 そういえばそんなことも言われた気がする。彼と連絡を取るのは久しぶりなのだ。

「それで、ムサシってのはなんなんだ?」

「刀だよ。最初期の、超振動刀」

 超振動刀。今まさに俺が腰に提げているものだ。

 人をより容易に切るために製造され、今も進化を続けている、現代の戦闘の主役。

「刀ぁ? それも最初期だって? そんなガラクタ、狙ってどうするんだ。今お前の持ってるやつの方が明らかに斬れるだろう」

 超振動刀は進化を続けている。今俺の提げているものでも第三世代。通信相手の男は幾分裕福なのでおそらく最新モデル、第五世代だろう。

 二世代もはさめば旧型は新型には文字通り、「刃」が立たないと言われるほどだ。

 第四・三世代が主流の今現在では、最初期など、骨董マニアしか欲しがらない。

「ところがどっこい。その一振り、どうも曰くつきの業物でさ。聞いたことあるだろ? 先の大戦での二刀流サイボーグ剣士。その人愛用の一振りなんだってさ」

「確かに有名な都市伝説だな。で、それがどうした」

 最初期なのだ、弱いことには変わりないだろう。

「ドライだなぁ。浪漫があるじゃないか。そして僕のご主人様はそれにたっかーい懸賞をかけた。

さぁ、君のやるべきことは?」

「確かに金には困っているが、興の乗らない仕事を受ける気はない。今度は自分でやれ」

 切って捨てたところで沈黙。

 普段なら、『しょうがないなぁ』、と通信を切ってきてもおかしくない場面だ。

「……賞金は全部そっちにあげてもいいよ」

 耳を疑った。

「今、なんて言った?」

 彼はことあるごとに俺に仕事を頼み、しかしながら自分の取り分はコソコソと確保する、小悪党のような男だったと記憶している。それだけに驚きの言葉だった。

「ウチのご主人様は刀自体にはあまり興味も無いそうだし、ちょっと見たら発見者に返す、とも聞いている。対して僕の興味はその刀でね。是非とも欲しい。

どうだい? 刀は僕、金は君。まさしくwin-winの関係じゃないか?」

 一言でいえば、怪しい。

 これまでも胡散臭い話はいくつもあった。だが、今回は確信できるほどにおかしい。

「……ヤバい奴でも絡んでんのか」

 踏み込む。

 うまい話には裏がある、というのは定番だが、どうにもヤバそうな臭いがしてならない。

「さっきお前、『ご主人様は刀自体にはあまり興味が無い』って言ったな。

じゃあ一体どういう目的でその『ムサシ』に懸賞をかけたんだ?」

 あらかた予想はつく。

「……、旧剣士のオマケつき、いやこっちがむしろメインだね」

「結局殺し屋稼業じゃないか……」



初投稿でしたがどうでしたでしょうか

戦闘シーンなんかはまた今度、な前置き回でしたが、ちょくちょく様子を見に来てただけると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ