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追いかけない
戸惑いが生まれる。
もう遅い、これはただの後悔だと、頭に言葉が過る。
その間もどんどん手は引っ張られ、止まって欲しいと繋がった手の先を見るが、その先は闇が邪魔して見えなかった。
振り返りあの子を見るが、朝霧に霞んでしまった陽炎のように、その姿はどこにも見えなくなっていた。
また、後悔してしまう気がしたが、それでも私は足を止めることなく、歩み続ける。
プォーと、懐かしくも息苦しい音が耳に入ってきた。
辺りを見回すと、一台のバスが停車している。
歩くよりもバスの方が移動は楽で、私は乗りたいと思った。
(選択肢)
・バスに乗る
・乗らない
 




