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第2話「天校生、ウリエ・ルミコ!!」

〈前回までのあらすじ〉

天使と葵は声を合わせて「ゴールデンたまたまよわよわ」と言った。

〈登場人物〉

ウリエ・ルミコ:天使。

葵あおと:人間。

弔咲とむらさき:今回初登場の人間。

漆・ファー:今回初登場の人間?

 先生とルミコが教室に入ってくる。

「新しく転校して来ました、ウリエ・ルミコさんです。」先生がルミコを紹介する。

「ウリエ・ルミコです。好きな食べ物はなす田楽です。よろちくび。」

「やべーやつ来たわ」とつぶやいたのは、紫がかった髪でウェーブが美しい、ザ・お嬢様である。

「ルミコさんの席は窓際の奥です。葵さんの隣になります。」先生がルミコの席を指さす。

「おけちくび。」

「ちくび言いたいだけでしょ!!」ザ・お嬢様は鋭いツッコミを入れた。彼女の座席はルミコの席の前であった。

 ルミコはツッコミの主を見る。「アナタ誰?」

 ザ・お嬢様が立ち上がる。「ふっふっふっ。私は──」

「葵おはー。」「おは×2。」「負けた。」

「って、おい!!」

 ルミコは席に座り、ザ・お嬢様を見上げる。「髪のウェーブがお綺麗ね、アナタ。おでこも好み。はい、天使ポイント。」ルミコはポケットからカードを取り出し、手渡す。

「何このカード。」

「天使ポイントが貯まると天国に行けます。」

「天国……、なんだかよく分からないけど、天使ポイントの説明は前回の話でされてそうだから改めて聞くのはよすわ。ありがと……。」

「まあ座りなよ。」

「え、えぇ……。」彼女は席に座る。「では改めて。私、弔咲とむらさき。よろしくね!」

「むらさきって呼べばいいね。」

「えぇまあ、呼び方はなんでもいいわよ。」

「むらさきってさ、ごぼうチャンバラ得意?」

「何よそれ、下ネタ?」

「そう来たか。もしかして、むっつりなの?」

「がっつりよ。」

「意外だなぁ。」

「とむらさきジョークよ! それでごぼうチャンバラってなんなの。」

 葵が補足をする。「ごぼうチャンバラはごぼうでチャンバラするの。」

「それくらい分かるわよ。ルールを教えてちょうだい。」

「ごぼうが折れたら負け。」

「くっそ単純なゲームだったわ!」

 ルミコがニヒッと笑う。「折れたごぼうはサラダにして食べればいいのだ。一石二鳥だろ?」

「今さらいい人ぶっても無駄よ。食べ物で遊んでいる時点であなたたちの負けなんだから。」

「ごぼうディベート強いね」とルミコは感心した様子でむらさきを見る。

「えぇそりゃあ──」

 ドカン! 校庭から何やら大きな物音がした。むらさきは「私のボケがつぶされた!」と嘆く。

 ルミコが窓の外を見る。校庭に小さなクレーターができていた。「なんか来た。」

 葵が目の前の席を見ながら言う。「ほら、私の前の席、まだ誰もいないでしょ?」

「新キャラってこと?!」

「そういうこと。新垣結衣さんみたいな人だといいね。」

 むらさきが言う。「葵、あんたは知ってるでしょ! 遅刻よ遅刻。」

 葵は悲しそうな顔をした。「えぇ、がきはがきでもクソガキかぁ。しょんぼり。」

「この作品に足りなかったクソガキ成分の補充だね。」

「いやいや、ごぼうチャンバラしてる人が何言ってるのよ!」

「私はお姉さんだよ。」

「同じ歳でしょうが。」

「へっへっ、驚くなかれ。私はビッグバンの直後にうまれたのだよ。宇宙は姉妹さ。」

「思い切った設定ね。嫌いじゃないわ。」

「本当だって……。」

 その時、教室の扉を勢いよく開ける者があった。

「邪魔すんで!!」

「邪魔すんなら帰って〜。」むらさきがお決まりの言葉を言う。

「あいよ〜、っておいッ!!」

 噂のクソガキである。黒味を帯びたつややかな赤色の髪のクソガキはご満悦の様子で髪をゆらゆらと揺らしている。

「あれが例の。」ルミコがむらさきにひそひそ声でたずねる。

「そう。あぁやってツッコんであげないとムスッとしちゃうの。かわいいでしょ。」

 ガキが来た。「おはよ〜! って、あんただれぇ?! て、天使の輪! ……死んでるッ!!」

 ルミコは立ち上がる。「私は道草クイメ。アナタは特に褒めるところがないけど天使ポイントをあげる。」

 ガキは「どうも」と言ってカードを受け取り、それから「へへんっ!!」と言って無い胸を張って威張る。

「うちは漆・ファー! 好きな食べ物はなす田楽。しくよろ!!」

「やべー好きな食べ物被った。」

「気が合いそうね、クイメ!」

「私の方が背が高いから気は合わない。」

「へへんっ、身長差があったって、それが友情を育むときの障壁にはならないッ! ともに世界征服を目指しましょう!」

 ルミコは疲れたので座る。「とりあえず座ってもろて。」

「うちはまだ、その時ではないッ! まだまだ高みをめざ──」

「座れって言っとるんじゃあ!!」ルミコはムカついたので、漆の胸ぐらを掴んで校庭に放り投げた。むらさきの座る真横の窓から吹っ飛んでいき、校庭からはドカンと大きな音がして砂埃が舞う。

 ルミコは「あっ……。やべ。」とつぶやき、静かに席に座る。

 むらさきが「まぁあれくらいなら大丈夫でしょう」とフォローする。

 葵が言う。「あ、先生。授業の方を、どうぞ。」

 先生は内心「ヤベーな」と思いながらも、冷静さを保つことが教師の務めであると心得て、授業を進めることにした。「は、はい。では数Ⅱの教科書を出してください。今日はええっと、あぁルミコさんはひとまず葵さんのを見せてもらってくださいね。でははじめます。」

 校庭の方からは「こらー、クイメー!!」という叫び声がしたが、ルミコはクイメではないので無視をすることにした。

 ──第2話「天校生、ウリエ・ルミコ!!」

ウリエ・ルミコ:山吹色の気まぐれ天使。なす田楽よりちくびが好み。

葵あおと:地球のような青色メッシュの生徒会副会長。おは勝負に勝ったので、今日は2段ベッドの上で寝る。

弔咲とむらさき:上品な紫ウェーブのザ・お嬢様。上品なおでこによって、天使ポイント50ポイント。もう天国行ける。

漆・ファー:黒味を帯びたつややかな赤色のクソガキ。絶対ルシファーじゃん。

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