第六話「衝撃」
「じゃあ。話すぞ、」
《5年前》
「季節は冬も終わりに近づく頃っと言ったところか。俺は君のお姉さん。日月星華は俺の彼女だった。とても優しい人だった。それは勿論、君、日月智也も知っていると思う。順風満帆。人生の絶頂。相変わらず酒はやめられなかったが、それでも優しく温めてくれる君のお姉さんには頭が下がるよ。けれど、そんな楽しかった一時は俺のせいで潰えた。
俺が、【狂乱】のメンバーだったせいで。同じく【狂乱】のメンバー。『狂姦』。そいつが俺の、いや、俺らの仇だ。悪かった。彼女は『狂姦』の手によって消された。俺はその後に帰ってきて惨状を見つけたよ。そしたらさ。俺は名前も顔も思い出せない。けど、『狂者』入りおめでとうって言われたよ。」
《今》
おれは、阿崎が言い放った驚愕の事実を吟味する。
「取り敢えず、『神の左腕』によって、“嘘読み”を発動してたが、嘘はなかった。て事は、本当……なんだな。」
ここに来て新たな『狂者』の存在。
「なぁ、阿崎。『狂者』は何人いやがんだ?」
「3人。僕含めて、ね。」
「そうか。情報ありがとよ。そんで?俺の事さっさと殺せよ?」
「まぁ、最後に大切な事を言っておきます。それは、俺の霊力特性についてです。」
レイリョクトクセイ?なんじゃそりゃ。
「うーんと何それ?」
「ま、マジかよ。霊力特性っていうのは、神が与えたその者のみが扱える能力の一種さ。」
「ほう。」
「それと、僕の特性は「影」。そして、式神の作製方法は?」
「知らん。」
「あ、そうすか。式神の作製方法は二つあって、一つは自分の肉体を分け与える事。皮脂でもなんでも良い。二つ目は死んだ肉体に、式神使いの霊力を与える事。」
そこまで聞いて、また驚愕する。
「まさか、お前のその、影の式神。」
「ああ。そうさ。すまない。分かっているよ。速く自由に、楽にして上げたい。でも、俺にそんな勇気はなくてね。だから、こうして、連れているのさ。昔よりも喋らなくなった。でも、たまに君の事を言うんだよ。「智也は元気かなぁ」って。だから、君に会えて嬉しかったのさ。まさか僕が仇と思われているとは思わなかったけど。」
そう。そうだ。どうしようも無い。そして。俺は、激しい自責に囚われそうなる。だからこそ。
「さっさと、殺してくれ。」
阿崎は何も言わず。俺の身体を貫いた。
「おーい!新しい資料を持ってきたよー!
「要らん。だいじょぶだ。死に戻ってきたからな。」
「マジすか。」
「ああ。取り敢えず、速く商店街に行こう。」
「ま、勿論っす。」
《商店街》
路地裏。
「よぉ。阿崎。」
「ん?君は何者だい?」
「あ?あぁ、俺は日月智也。お前の持ってる式神のおとうとだ。」
「え⁉︎」
「そこまで、理解してるのか。だが、俺に敵意無しで来たと言う事は何かあるのだろう?なんだ。言ってみてくれ。」
「おお。勿論。じゃ言うぞ。お前、いや、お前ら、俺達の仲間となれ。」
「え?」
「っ⁉︎」
「「はァァァァァァ〜⁉︎」」
さてさて、どうなる事やら。
ブクマ、評価お願いします!