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夜桜と丑三つの戦乱  作者: 廣川紫翠
第二章“狂花の死闘”編
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第五話「阿崎」

「おーい!新しい資料を持ってきたよー!」

「おう。勿論阿崎関係だよな?」

「いや全く。」

「じゃあ別のやつにやらせとけや。」

「リーダーが好き嫌いすんな!はやくいくぞ!馬鹿野郎!」

「おーーーい!引っ張んな引っ張んな!」

こうして、訳のわからぬまま俺は連れたかれた



――商店街――

「なんで商店街?」

「ここの路地裏に名も無き怪異が存在するらしいからな。」

「あそう。ならいいや。帰りまーす」

「させんよ?ッ!」

俺らがまた、アホな事を話していると、その時はやってきた。

朽葉が突如口から赤黒い液体を噴き出し、路地裏の中は突っ込まれていった。

「あぁ。あの子はもう助からんねぇ。」

と、その場を通り掛かるお婆ちゃんは言う。そして、

「ナンマンダブナンマンダブ。」

とだけ呟き帰っていった。

「チッ!入るしかねぇじゃないか!クソッ!朽葉!」

俺はその路地裏の中へ飛び込んで行った。

「マジかよ。異空間に来ちまった。てぇことは、怪異であるのは本当のようだな。」

路地裏に妖力によって捻じ曲げ、創り出された怪異の巣、通称“彼岸”。

「はぁ。邪魔。」

そこまで強くない妖力の怪異達を消滅させつつ、突き進む。

そして、俺は少し強い存在に出会う。

「成程。お前、ここの主か?」

「チガウ。オレハヤッテキタイノウリョクシャヲシマツシロトアザキサマニイワレタノダ。」

と、片言で喋る。そして、阿崎の名が出た。無関係かと思ったらまさかの関係ありのようだ。なら仕方ない。さっさとぶっ飛ばして、阿崎の情報でも聞くか。

「オマエ、オレ、コロセルトオモッテルナ。オマエジャムリ、ヤクブソク。シキノウ『エイテン』」

そう言ったその刹那。目の前に居る人型に目が10個存在している異質な影のような存在が襲い掛かる。

「ははっ。確かにな。俺だけなら役不足だ。けど、鬼が加勢したらどうだろうな?怪能『鬼の右腕』‼︎」

俺は右腕に巣食う鬼を顕現させる。そして、右腕を本気の力で振るう。

「“鬼の一振り(フルスイング)”‼︎」

竜巻が吹き荒れ、10眼影を吹き飛ばし、散り散りにする。

「なるほど。 」

本当に影みたいな奴だ。

「イタクナイ。オマエノコウゲキ、キカナイ。ソノママシネ。“影天呑光(エイテンシュコウ)”。」

虚空、光が完全に消滅する。そして、どこからか、薄く発光し、目が覗く。紅い、紅い眼だ。

「オレ、カゲソノモノ。オマエノコウゲキモツカエル。『オニノミギウデ』。」

そう言い放ち、

「カエス。“フルスイング”。」

「グッ。いてぇなあおい!クソッ。」(こりゃ不味いことになってきた。ヤベェな。アイツ、実力は本物だな。)

「オワリダナ。ソノママシネ。フフフフフハハハハハハハ」

「ああ。死んでやるよ。けどなぁ、これプレゼントしてやるよ。」

「?」

疑問に眼を細める。しかし、俺は気にせず、

「全能『神の左腕』。俺の左腕はな、森羅万象全てを司る事が出来るんだ。故に、神。分かるか?」

「アア。ナメテルノカ。ナメテルナライマスグケスゾ?」

「まぁ待てよ。そして、消えるのはてめぇだよ。《光腕》。」

俺の左腕が発光する。それにはカゲヤロウも(こた)えたようで、

「ガアアアアアアアアアアアアアア!」

と絶叫している。

「そのまま死ね。名も無き怪異。」

俺がそいつに向けてそう言うと、そいつは消え去った。

「酷いじゃないか。僕の式神を滅しようとするなんてさ。」

「テメェは。」

目の前に立つ、銀髪緋眼、黒ずくめのコートに身を包み、睥睨するその男。俺はそいつが誰か分かった。

「阿崎。宗介ええええ‼︎」

俺は怒りで視界を真っ赤にする程ブチギレる。

「ま、待てよ。ほら、戦う気は無かったんだよ。この式神を披露したかっただけなのさ。でも、君も……アイツと同じようにされたいって言うなら仕方ないね。せめて、僕の肴になると良い。」

「待ちやがれ!アイツって誰だ⁉︎」

「決まってるじゃないか。朽葉。焔咲朽葉だよ。ほらっ! 」

そう言って、肉塊を投げる。俺は、絶望した。信じたく無かった。でも、その肉から感じる霊力は紛れも無く朽葉だったからだ。

「ああ。アアアアアア!怪能「鬼の右腕」‼︎」

「まさか、君!」

「ああ?やっと気付きやがったか!そうだ!お前に殺された姉貴の仇。俺が討つ‼︎ 」

「くっ!ま、待ってくれ!俺じゃない。それに、聞いておけよ!もし、お前が捨て回と踏んでんなら!」

そう言われ、唐突に言葉が出なくなる。

「……」

「無言は肯定ととる。取り敢えず、話を聞いてくれ。」

はい。次回は阿崎の回想となります。物語において、重要な回想となります。次回をお楽しみに!



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