第二話「色彩々2」 智也視点
中々伏線貼り付けておきました!
俺は阿崎……能力行使反社会組織【狂獄】“酔狂”の阿崎について調べていた。能力の事、俺の姉を殺した動悸。そんな事を調べている。すると、戸を叩く音がして、ガチャリとドアが開いた。
「久しぶり!智――」
友人の声がして振り向くと顔が引き攣っている。気にせず、
「おお、朽葉じゃないか!ささっ俺の家入りたまえ。」
「入れるかぁっ!そもそもゴミのせいで踏み場が無いんじゃあ!」
「君って突っ込む時変な喋り方になるよね。」
そうか。朽葉はゴミのせいで入れなかったのか。申し訳ない事したな。取り敢えず本題入ってもらうか
「えーっと、そろそろ本題に入ろうか。」
「ああ。じゃ、本題に入るかな。本題は、新たな怪異、それもアイツが関わる怪異だ。」
アイツ。阿崎の事だろうな。嘘なら俺は友を殺さなければならない。一応俺は聞いてみる。
「本当か?朽葉。嘘なら今言っておいた方が良い。じゃねぇと。」
「いや、何年一緒に居ると思ってんすか……嘘では無い。」
と普通に答えられた。いやー
「ならいい。悪かったな。さ、行こうぜ?」
「次の冒険へ!ってやかましいわ!」
などとアホな事をして、張り詰めた空気をほぐした。そして。
「あ、詳細が聞きたい。よろしく。」
「ん。分かった。任せろ。怪異としては、血が搾り取られて、真っ青になった死体と、もう一つ。全身に切り傷をつけて血塗れになった状態の死体が有りました。どちらも失血死です。あ、あと、そのどちらも肝臓が消えていました。」
と俺が詳細を聞くとそんな答えが返ってきた。な、
「なんか混ざってる?」
「僕も思ったよ。該当する怪異は、「青い紙赤い紙」、「紫ババア」の二つですね。」
と肯定してきた。アイツ――阿崎の得意技だからな。怪異を混ぜて俺たちに牙を剥かせるのは。
「調査。してみるか?」
「当たり前だな。行くぞ!ほれ。」
「この近くの私立中学校に目撃情報があるんで、行こうぜ。」
「おう!行くぞ!サンキュな「資料」。やはり持つべきは優秀な部下だぜ!」
「大概戦うの僕なんだけど⁉︎」
などと無理矢理落ち着かせて俺達は、目撃情報のある場所――私立中学校へ出向いた。既に今は丑三つ時。怪異が一番呼ばれやすい時間帯だ。期待大だな。
――私立中学校――
既に妖力が立ち込めてやがる。朽葉も気付いたらしく顔を顰めていた。
「ハハッ完璧ビンゴじゃねーか。アイツ。阿崎の気配はねぇな。」
これからも阿崎の異能は遠距離型なのだろう。
「はい。そうですね。」
『赤い紙が欲しいか?青い紙が欲しいか?』
(もう来たのか。はええなおい。ま。)
「どっちも要らんわゴミカス。死ね!怪能「鬼の右腕」‼︎」
俺は真後ろの屑を殺す鬼を顕現させる。
『己己己!我等は阿崎様の僕‼︎我は強いのだ!貴様如きに負けるものか!』
そんな事をほざいた怪異はその右腕に食われ、ぐちゃぐちゃに引き裂け消滅した。
「終わったな。」
「いいえ。まだ、紫の方がいる筈。」
あ、そういやそっちもいんだ
「ガハッ!」
俺はぶっ飛ばされる。強化ガラスをぶち破り、ひたすらに落下して行く。ここは学校の4階だ。チッ。この高さから落ちたら骨折じゃすまねぇだろうな。
ふいに、何か聞こえた気がした。
突如壁が盛り上がり、俺の手に温かな感触が宿る。
(どうせ朽葉だろ。美女とかだったらテンション上がんだけどなー)
「大丈夫すか?俺がなんとかする。任せてくれ。」
ま、良いか。俺の身を案じてくれる相棒ってのもまた乙なもんだ。それと、
「戦闘の時だけ、お前の一人称俺になるんだっけ。慣れねぇなそれ。」
「こんな時まで阿呆なこと言ってんじゃねえよ。“水”」
俺に癒しの力が加わる。そのお陰で身体に活力が戻る。すると、相棒は、大技をぶっ放す。
「“水”“火”【六芒星】‼︎《太陽極光》‼︎」
純粋なエネルギーによって生み出された擬似太陽はゆっくりと、確実に紫色のクソババアを滅ぼして行く。最後には意味不明な叫び声をあげて消滅した。しかし、それでは済まなかった。一瞬だった。
一瞬で相棒の腹、肺近くに風穴が開き、その命の灯火を消して行く。俺はブチギレた。
相棒が最後に一言
「と……も……や。」
とだけ呟き本当の意味で死亡した。
「ふざけんなぁ!テメェ‼︎」
俺は眼前に立つ屑に向けてそう叫ぶ。確かに、俺の異能【死に戻り】が有れば元に戻る。けれど相棒がこんなにされては俺がキレない訳が無い。
「お前。生きて帰れると思うなよ?」
ここから相棒の知らない物語が始まった。
次回に期待!