第十三話「死の連鎖」
「ぐぅ。っ!ぅぉぇ、」
死の理不尽により、嘔吐感が込み上げ、胃液をぶちまける。喘ぎ、苦しみながらも、なんとか生きる道はないかと模索する。
「ここ……は、商店街……か。つまり。あんときは、あいつがいる位置と同じ場合だって事だ。」
そう。あまりの嘔吐感と、自身の命の喪失感に、もがき、足掻いて走り続けた結果、商店街に今回は来ていた。
「あんな奴と同じ場所にゃ居たくねぇ。……はぁ。っ……‼︎」
『汝。我の元へと来るというのか。ならば……無様に死を晒せ』
と。翅が。身体を一刀両断した。
「はっ…………⁉︎ベルゼーーーーーー」
また。溢した。
激しい嘔吐。
「ぁ。うぉぇ。なん……ごぶぉえ。」
言葉にならず胃液をぶちまける。
「オイオイ。汚いなぁ。やめろよ。“虚空断絶”。」
「は……」
また、命を溢した。
「ぁ。」
嘔吐感は無い。今度は虚無感が襲って来た。
「立ち尽くしてなんになるよ。相棒。ん?どーーせ、“ここじゃ無いどっかの世界で”死んできたんでしょ。はぁ。智也さん。僕は行けますよ。ほら。行きますよ。」
友の…………相棒の声が聞こえた。虚無が続く。
「はぁ。ひっぱたくよー?」
相棒の…………
「は。ぉいちょっとま「はいドォン!」
「いってえええ⁉︎」
「ハハハハハッいやー、傑作だ。」
いつの間にやら、ヴィートの近くで笑い転げてる相棒がそこに居た。
「ぁ。」
先ほどの、喪失感、虚無感に苛まれた時とは違う……今にも泣き出しそうな声が少し。出たでは無いか……。
「ハハッ。ぁぁ。馬鹿……だよな。」
「おう。リーダーがアホで脳みそちんちくりんだと困るな。」
「何もそこまで……っ」
ふと、笑う。これほどまでに無い。微小な笑み。
「アアア!もういいや!取り敢えず、考えんの後回しだ!今は自分らの事ばっか考えときゃ良い!」
「そ。ほら、行くよ。」
彼等はこれまでに無い程すっきりとした面持ちで走って行った。
程なくして、着く。彼等は、最大級に膨大な“彼岸”が襲う。
『汝……殺されたいように見えるが?』
「そう見えるか?喰う事しか頭に無い蝿野郎が。」
『貴様……我を馬鹿にするか。本当に死にたいようだ。消そう。』
「お断りだぁゴラァ!!」
そう自身を鼓舞して、ひたすらに、ただひたすらに敵意を向ける。
「任せろよ!相棒!!」
「おう!!頼んだ!」
こうして、命を懸けて、3大怪異のうちの一体と争う---。
戦いは激化していた。
「『鬼の右腕』!!」
「『四大元素“火”』」
獄炎と、鬼が演舞し、この場に場違いな蝿を処す為に動いた――
次回!!2章最終決戦スタートです!
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