第十一話「ZET」
「やぁ。こんにちは。新入り諸君。僕の名は。‘アルフェア•ネロステラ’。気軽にアルと呼べよ。まぁ、君たちは一応下の立場だから、アル様と呼べ。良いね?」
と。商店街の裏路地の先。巨大な崩壊しかけの廃工場に、『狂花』リン、『狂姦』。そして。『狂獄』の主、『ZET』、下層部No.18が揃い、アルと名乗る白髪の整えられた髪型の男性が口を開く。
「了解しました。アル様。」
「ハハハ。流石配下だ。配下は瞬時に理解をしてくれる。下層部No.18である、エルダも、主だからねぇ。あんまり物覚えが良くなかったんだよねぇ。」
「や、やめて下さいよアル様。」
「フフッ。君の矜持が傷付いたら申し訳ないねぇ。」
そこで一旦区切って。
「さて、本題に入ろうか。改めましてようこそ!新たなる『悪魔』。新【色彩の悪魔】を決める機関。『ZET』へ。」
と、白髪を揺らし、ニヤリと笑みを浮かべる。
「取り敢えず、用は今、無いから。帰って大丈夫だよ。」
と、笑みを更に深めて、言った。
「了解しました。」
と、三人は口を揃え、そして、自分達の場所に去って行った。
そこから、数時間程経って。
「どうだった?」
と、桃色の髪に碧眼を持つ、美少女がそこに立っていた。見た目はがつくことをさきに伝えておく。
「あぁ。【灰】の適性者が居たぜ。」
「ま、マジで?灰色って言ったら、確か」
「ああ。白痴盲目の魔皇神。アザトースの適正だな。」
「やばっ。ハハハ。【桃】の私とは差が有りまくりね。私は。無貌の邪神ナイアルラトテップ。の適正だからね。」
こうして、新たに手に入れた、戦力の話で盛り上がるのだった。
「ふぁぁ。」
新しい朝が来た!
「ねみぃ。な?そうだろ。佐助。」
「そうですね。紅牙様。」
彩呀の皆がゆっくりと起き出す。そして、皆が起き上がり、数十分後。
「すいません!じゃ、商店街に、流行病や、致死性の病に罹った患者が複数いらっしゃってて、この量はおかしいんです!多分ですが、怪異によるものと‼︎」
と、突然詳しく情報を渡し、その上で、怪異の被害と伝える。なぜいきなり?と、皆が小首をかしげて、心の中で戸惑う中、智也だけは違った。
「ありがとな。怪異か。分かった。ささっと倒して来るよ。安心してくれ。」
と返し、皆が止める声すら上げられる前に突っ走って行った。
「よし。ついた。ここか。」
そこは、既にまるで元々あったかのように、自然と捉えられる程の、妖力が蔓延していた。
そして、さらに、その中心。そこにはこんなところで見られる筈のない、膨大過ぎる妖力が溢れていた。
そして、その膨大過ぎる妖力は、段々と形を成して行った。
ゆっくりと、髑髏の紋様を浮かべた巨大な翅が作られ、ゆっくりと危険と一目でわかる配色の蝿が出来つつあった。
「ぁ」
智也は、恐怖のあまり、声が殆ど出ない。そして。
『誰だ。貴様は。低俗でやわな雑魚が、誰の許可を得てこの場に存在する?』
と、智也を限りなく馬鹿にして。
「あぁぁぁぁ‼︎」
突如、気が狂ったように――否。
気が狂って、『鬼の右腕』を開放して、張り上げた。
そして、そのまま、何もない虚空に鬼の力を振い続けた。
その後、三分程経った頃。
『もう良い。飽きたわ。その持て余す力を持ったまま。――――死ね。』
グシャリ。と、頭を喰らい尽くされ、そのまま智也は生き絶えた。
ベルゼブブ強いっすね。
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