第十話「狂者へと至る道。」
「まず、一つ目の大きな情報ですが、『狂花』はまだ存在してる。俺は一応潜入しているが、『狂花』は何も起こさない。つまるところ、今は動くべきでは無いと考えてる可能性が高いかな。」
と、1個目から大事な報告を伝えてくる。
「次に、『狂姦』の権能についてです。なんとか『狂姦』相手に聞き出せましたよ。……アイツの権能は、「マーキング」です。その名の通り、相手の位置が丸分かりになるようですね。」
つまりは、『狂姦』のは、阿崎のことは分からなくても、もし、マーキングの解除をしてないとするならば。
「“影天”を通じて、俺たちの位置が分かる可能性があるぞ。」
そう。そうだ。つまる所、影天は、今あまり出さないほうが良いのだろう。
そして、一方。
「はぁ、危なかったぁ。」
『狂花』リンは、命からがら、逃げおおせていた。
「あ、『狂姦』じゃない。」
と。そう、彼女、リンの目の前には、『狂姦』が居たのだ。
「ああ。なんか用か?リン。」
平然と何事も無いように普通に喋る。
「いや、何も無いけど?貴方は?」
「……お前を……」
そこまで言って、彼は言葉に詰まる。
「私を……殺しにきた?」
「つもりだったんだがな。」
「あ、違うのね、よかったわ。」
と、話し、本題を聞き出そうとリンが口を開こうとしたその時。
「君達にはさ。次のステージに上がって貰いたいんだよね。」
そこには、おかっぱ姿の可愛らしい童顔の白髪緋眼の男の子がニヤリと口の端を歪ませ、笑みの形をかたどった。
「新しいステージ……ですか?」
「そうさ!新たなステージ、ステップとも言うけどね。」
「さっきまで本題隠してましたよね?リンもきたとこですし、早く言って下さい。」
と、話し、彼らの新たなステージについて、深く話し出す。
「仕方ないね。良いよ。まず、一つ目、世界三大怪異を呼び起こす。『狂花』。そのうちの1人に寄生してもらうよ。それと、二つ目。阿崎宗介の裏切りについてだ。まぁ、君が「マーキング」してくれたお陰で場所は理解出来るし、それに、権能を剥奪しておいたしね。」
「成程。」
ここまでのアレをまとめてみよう。
まず、世界三大怪異という、明らかに呼び起こしちゃいけないものを呼び起こそうとしてて、阿崎宗介の裏切りについてはばれている。という事になる。しかも、逃げ道が無い徹底ぶり。
「さて、これがこのステージの肝さ。…………ふふっ。ハハハッ!ハハハハハハッ‼︎君が、君達が悪魔となる為の器。【zet】に入るのさ!ちなみに僕は【Zet】の下層部、No.18だ。残り2席は、僕が用意した。上にも許可を貰ってる!さぁ、行こうじゃ無いか!」
「「了解致しました!」」
【Zet】。それは構成員全てが悪魔化出来る。つまり、怪異化出来るという事だ。その中の1人に、彼ら、『狂者』は成った。そして、その後数分して、商店街の、真夜中の薄暗い裏路地に【お札】の貼られた宝玉を持った、少年が居た。その少年は、宝玉の札を外し、三つあった宝玉全ての札を剥がし切った。
すると、中からは三体の化け物が現れる。
左から順に、巨大で、翅に髑髏の紋様がついた蝿。2Mもの巨体に帽子を被り、女性の姿をしたも人型。そして、巨大な、蜘蛛で、上半身が女性の姿をした化け物。の三体だった。
この日、全世界は、世界三大怪異の復活により。
「崩壊」の一途を辿る事となる。
無論、だれもとめなければのはなしだが。
次回も新キャラ出ます。ちなみに、分かる人は分かったと思いますけど、
左から順に、ベルゼブブ、八尺様、アラクネです。