第九話「新たな日常」
やっと第二章が始まる。(登場キャラが今回と次回で一気に増えます!)
「ふわぁ」
と、智也があくびをして、ゆっくりと身体を起こす。ここは、自分の家、今は阿崎が片付けてくれた様で、割と綺麗である。
少し経って、【彩牙】の最高メンバー『彩呀』が集まる。
「よぉ。中々辛そうな体たらくしてんなぁゴミ虫さんヤァ。」
「殴り飛ばすぞ。“黄牙”。」
「あー、悪かったよ。チェッ。遊んでやろうと思ったのにヨォ。」
智也の前に立つ筋骨隆々、正にマッチョ。な、金髪紫眼な男は、【彩牙】の最高メンバーの1人、『黄牙』、日々縞大輔である。
「あ、そだ、お前さ、俺らのせいで負けたのカ?」
「どゆこと?」
「あー、えーと、権能有るじゃん?まぁ、『彩呀』の中でも上位の『蒼牙』と、『碧牙』は異能使えばあれだから良いけど、俺と『紫牙』の高慢女と、『燈牙』の変態ヲタクはお前の『神の左腕』経由で能力貰ってるからサ。」
ここで一つ、説明しておこう。
能力について。
能力は、大きく分けて五つある。
自分の持つ、一般人とは異なる能力。それが、異能。
次に、式神が扱う能力。それは式能と呼ばれる。
そして、異能力者に、異能を分け与える素質がある場合、全能と呼ぶ。
そして、怪異からあやかりし能力を怪能。
最後に全能から分け与えられた能力を権能と呼ぶ。
能力はそれらを呼称した名称である。
そして、【彩牙】の『彩呀』の者たちは、全能『神の左腕』の力で、権能を1人ずつ手にしている。だから当たり前のように能力があるのだ。
「誰が高慢だって?」
と、突如大輔に食ってかかるお団子の髪をした、どこか気品を感じさせる紫髪銀眼の美少女がギロリと睥睨する。
「やめろやめろアルタ。」
彼女の名はアルタ。しっかりと言うと、アルタ•ノーデラント。
「はーーい!お兄ちゃん!」
見てわかる通り、智也を兄と呼び慕っているのだ。その為、智也の言う事だけはしっかりと聞くのだ。
「誰が変態ヲタクですか!怒りますよ?“お主、儂に切り捨てられたいようじゃの。”」
「そう言う所がヲタクなんだよ変態。」
と言われて苦笑しているのは変態ヲタクこと、『燈牙』、明石大吾。
割と整った顔立ちに地味目の服装。見て数十秒で忘れられる程のモブキャラである。
「コラコラ。皆さん、ケンカはやめましょうよ。『紅牙』様も少し呆れていますよ?」
「「「はーーい。」」」
最後に来たのは、一番常識人で、最も冷酷とも評される男、『碧牙』太谷佐助。
整えられた緑髪に、美しく光る緋燈の眼。誰が見ても分かる、完璧なイケメンだった。
「おう、気遣いあんがと。佐助。そんじゃ、成果を聞きましょうかね。約一年間の成果を。な、阿崎。」
「ああ、はい。よろしくお願いします。【彩牙】リーダー。日月智也様。俺たちは今、貴方達の手足ですから。」
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