第58話 商業王国コンペルス
私達は玉を転がし始めてから2日が経ちやっと商業王国コンペルスに着いた。
「ちょっとちょっと、君たちそれは何だね?」
門番はこの魔力核を見て私達を止める。
その声に反応してからもう一人門番が出てくる。
「どうした?って龍虎荘撃?!3日前だかにフローズヴィトニルと戦っている少女達を助けるために行った方々だよ。って事はそちらの二人がまさか...?」
後から出てきた門番は紫乃達を見てもしや?と思う。
「あぁそうだ。彼女達がそうだ。それとこの街のギルド長とそれと鑑定士バックラーを呼んでくれ。」
「わ、分かりました。えと、とりあえずですね私が呼んできますのでその間に入国手続きをお願いします。」
私達冒険者の入国手続きはかなり簡単だ。
バッチを見せるだけ、それでおしまい、
最初の説明で受けた通り、冒険者の特権だ。
「はい、これで入国手続きは終わりなんですが、そのその玉は何ですか?」
でしょうね、こんな物あれば聞きますよね。
でもこれを正直に魔力核と言っていいのか分からない。
私が口籠っていると、
「あぁ、いえすみません普通はこんな事聞かないんですけどね。はは、かなり大きな物で気になってしまって。すみません。冒険者さんが持ってきた物ですしね、言えない物ですよねすみません。ではお通りください。」
なんか謝らせてしまった。
なんか申し訳ない。
やっと私達はコンペルスに足を踏み入れた。
私達は門の前で話すのかと思いきや、ギルドに通された。
もちろんそこに着くまでは玉転がしをしながらだが...
コンペルスは商業王国と言うこともあり、大通りはとても広くあちこちに出店があった。
食べ物、ペット、宝石、アクセサリー、服など実に様々なものが売り買いされていた。
ギルドは5分くらい歩けば、出店から頑丈な建物へと景色は変わる。
ギルドの前には人だかりが出来ていた。
その中にはアリドゥも居た。
アリドゥは私達に気がつくと
「おねぇちゃん!」
笑顔を見せながら私の胸に飛びついてくる。
めっちゃ尻尾をパタパタさせている。
可愛いな。
「これはこれは、貴方があの紫乃様ですか。なるほどなるほど」
スーツのような服を着ていて、指には様々な指輪がしてある細身の男に隅々まで見られる。
気持ち悪い...
「これこれバックラー殿これでも彼女は新人の部類です。そんなにまじまじ見てやらんでも...」
今にもな巨大な男が隣にいた。
多分この人がここのギルド長だろう。
そして会話から察するにさっきのが鑑定士バックラーと言うわけか。
「はは、これは失敬。
私を呼んだ事と、それとこの球体を見る限り、これを鑑定して欲しいと言う事ですね、ネゲルトロさん。」
「あぁ、その通りじゃ。それとそれの持ち主は儂じゃないぞ。そこの嬢ちゃん達じゃ。」
次回ドキドキの鑑定結果
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