第34話 元凶
タロットをくれる?だと?そんなことが出来るの?
「あぁ、出来るともそれも。お主が「いやいやいや、くさすぎるから。」」
笑い声が聞こえる。
もちろんマカオと菅塔矢のではない。
この場には2人しか居なかったはずなのに。
「主は誰じゃ?」
菅塔矢は姿も見えない人物に語りかける。
「いやいや何が『主は誰じゃ?』だよ。クク、プクク。いやさぁね?作者はアホなの?馬鹿なの?こんな物語、こんなよくわかんない物語面白いと思ってんの?ねぇねぇねぇねぇ?
頭いってるだろ!いや、いやいやさぁ何が『意味のないことが意味』だよ。訳わかんないし。
キメェし!死んだらぁ?!?」
その場にいた2人は口を開けて聞くしかなかった。
何も言えなかった。
彼のいっていることがなにもかも分からなかったからだ。
「いやさぁー、なーにやってんの?本当マジで。この物語さー、酷くない?ない?ねぇねぇこれを読んでる皆んなも思うでしょ?!いやいや思わないとおかしいもん。まずタイトルから酷いし!もっと短く出来ないの?長いし!意味不明だし!アホらし!」
今度は怒りに変わる。
「いやだってさ何も知らない、何も分からない奴がこんなの書いてんだぜ?実に滑稽だろ?まあ今時のな○う○説にはこんな意味不な設定は無いだろうけど?だからって語学力無さ過ぎるって、もうちょい勉強しろって話だよなぁ?」
彼の悪態は止まらなかった。
その場の何もかもを置き去りに彼の口だけが動いていた。
「これ読んでる読者の方が絶対にいいラノベ?小説?物語ぃ?書くよねぇ!思いつくよねぇ?こんな不幸しかなさそうな物語誰が見るんだよってんだい!そもそもこの作者元から頭イカレとんのにこんな黒歴史作ってネジでも外れたかぁ!?それともシュールストレミングの匂いでも嗅いだのかぁ?あぁ?!それにこんなよく分からん設定で、なおかつぅ!御都合主義!はぁークソッタレだなぁ?本当にこの作者はミトコンドリア以下だよなぁ?」
彼の止まることのなさそうな悪態にマカオさんは彼に聞く。
「あの、この物語の作者ってどういうこと?」
その質問に彼は眉間にシワを寄せ悪態をつき始める。
「あぁ?あんたらの世界はただのくそみてぇな奴が書いた小説の中さ!いいか?テメェらがどう感じようが知らんがなぁあ、俺はこの物語のラスボスだよ、そしてこの物語では理の外にいるという謎設定!そしてぇ!俺は作者を見た!という設定なんだよ!つまりだ、この物語はテメェらの意思で動いてねぇってことだ!」
「じゃあが儂らは現に自分の意思で会話して「なぁーに寝ぼけたこと言ってんだぁ?いいか?お前らはここが作品の中では無いって証明出来んのか?いや出来ないはずだ!作者の世界でこの世界が現実あると断定できないように!ゲームの中では無いと証明出来ないように!俺のこと発言だって、もしかしたらゲームや小説の一部かもしれない、さらにいうならば作者の世界がゲームの一部かもしれない。俺たちは生きていることを証明する事は出来ない。
だから俺は俺の役を全うする。まだ作者には手が届かないからなぁ、だからよー菅塔矢お前のタロット貰うぞ!」
そう言って彼は一枚のカードを取り出した。
そのカードを見たマカオは驚きを隠せなかった。
何故ならそこにあったカードはあの男が持っていた『12.THE HANGED MAN 吊し人』だったからだ。
はい、奴でございます。
このね、メタすぎる話ですね、伏線と作者の本音が入り混じったものとなってあるので、酷いですね。
読んでくださってありがとうございます。




