第19話 真実を胸に少女は何を抱く?
えと、なんか2日連続投稿です。
紫乃視点にもどります。
「まず最初に私は、三年前トラックの運転手をしていたわ、そして、一つの事故を起こした。二人の女子高生を轢き殺して。」
マカオさんからそう言われた時、すぐに私たちのことだろうとは思った。
確証はない。
あの時私はトラックしか見ていない。
運転手の顔は見ていなかった。
だけど、けれども、こんな話をするからには私たちのことではあると思った。
そして疑惑は確信へと変わる。
「紫乃ちゃんその女子高生ってのわね、貴方達二人なのよ。」
言われてしまった。
そう、私はこの時たしかに怒りはあった。でも何故か怒れなかった。
普通の人が聞いたら10人中98人はおかしいというだろう。
だけど、私は聞くことしか出来なかった。
何故だろうね。私にもわからない...
だけれども、けれどもその時はマカオさんの話を遮らず、怒らないで、よかったとも思う。
何故なら
「君の友達の西川緑に言われた事よ。
そう、あの子失礼だけど、怖いわね。
だってあの子ははっきりと、私の目を見て、見るも無残な足で、痛いはずなのに、私の腕を掴んで、貪欲な眼差しでこう言ったわ。
「ありがとう」
」
そう言われたから、緑の話を言われたからだ。
緑は何故 ありがとう と、言ったのか。
そして、これを聞いて私は見間違えと思っていた、緑のあのニヤッと口元が笑っていたのは見間違えじゃなかった。
緑は何か知っているのか?
そんな考えが私の頭の中に駆け巡る。
必死に謝っているマカオさんを放ったらかしにして...
約30分後
「ねぇ、紫乃ちゃん?紫乃ちゃん!」
マカオさんのかすれそうな声で現実に戻された。必死に考えても何も浮かばなかったけれども...
「それで、あの、紫乃ちゃん?これからどうするのかしら?...」
「え?どうするって、何を?」
マカオさんには申し訳ないけれども、後半まったく聞いていなかったんだよね...
「だから、私をよ、だって私紫乃ちゃんを殺しちゃったわけですし...
断罪するのであれば切腹、打ち首なんな...」
「いやです。」
食い気味に言ってしまった。
「マカオさん、私は人を殺したくありません。なので私に対して罪を消す分だけのことをしたいならば、私の旅についてきてください。」
そう、元はそのつもりであった。
旅は1人よりも2人の方がいいしね!
それに今は、緑がこの世界に来ている可能性が高いと思うから...
探さなきゃ。確信はないけど、あの野郎の言っていた言葉もあったし...
「贖罪ね...皮肉ね今度は私が贖罪する番だなんて...
紫乃ちゃん、お言葉に甘えて、貴方の旅全力でサポートさせてもらいます。
私を許してくれてありがとう、しのちゃん......」
そのあとマカオさんは小一時間くらい、泣いていた。
「なーんだ、恋人殺さないのか、つまんないなー全く、早くタロット持ちは殺してよー清野紫乃」
「・・・・・ッヅ、聞こえるか?アタラ・ユユカ。」
「うん!聞こえてるよ「パパ」」
暗闇と血の中彼らは通信に出る。
「ならよかった。それでな次だが希望のものが見つかったよ。
転移者、清野紫乃というそうだ。容姿も送っとく。これを終わったらご褒美をあげるから頑張りな。」
「「うん!なら頑張るよパパ。だって珍しいもん別世界の人間なんて。」」
彼らはまだ子供でありながら、世界の轟く双子の殺人鬼である。
「ああ、そうだな。それじゃ期待しているよ。」
「ねえユユカ。」
「なあに?アタラ。」
「今回のご褒美のためにも早く殺らなくちゃね。」
「うん、そうだね。それじゃ行こうか。」
さあ、今宵は誰の血が見れるのやら、、、
読んでくださってありがとうございます。




