第17話 海上都市カインド 2
「んー美味しかったー!」
紫乃はとても満足そうに言った。
「でしょでしょー?ここのお店とっても美味しいのよー!私のイ・チ・オ・シなのよー!」
そしてマカオはドヤ顔をしながら言う。
「いやー、今日は色々と教えてもらってありがとうございます。
海にー、お刺身に、それにーお洒落な服!ほんとなんとお礼をしたらいいのか」
「いいのいいの!私がしたかったんだしー、まぁ何かしたいって言うなら私のお店に今から来てよ!あなたともっとお話ししたいしね☆」
え?私のお店ってこの人どこかの店主かよ!?
びっくりしたなーまぁ悪い人じゃないし行ってみよ!
バーでした。うん、バーでした。
大通りから二本裏の所にあるマカオさんのお店。お世辞にも大きいとは言いがたく、素朴に経営していることがその外観からは伺えた。
「ささ、入って入って!ここが私のお店。
『アマカオベ』」
「おじゃましまー...!」
私はそこまで行って絶句した。
このバーの内装は木であったからだ、否そこではない木造なのは外からでも伺えた。
でも私は絶句した、その内装がドラマやアニメなどでよくある、バーの内装であったからだ。
「ささっ席について。ん?どうしたのよー固まっちゃってー?あっもしかしてこの内装に見覚えのあるとか?」
そう言ってマカオさんはニコッとした。
「マカオさん、貴方は一体?何者なんですか...?」
私は必然的にそう聞いてしまった。
「ふーんまぁそうなるわよね、とゆうか紫乃ちゃんベタな質問のしかたー!かーわいいー!」
そう言ってマカオさんは茶化す。
けど、次の瞬間真剣な顔になって、胸ポケットから一枚のカードを取り出した。
「こ・れ、なんだと思う?」
そう、そこにあったのはタロットカードだった
二人の人が手と手を取り合い見つめている絵が描かれており絵の下には『6.THE LOVERS 恋人』そう書かれていた。
私は思わず席を勢いよく立ち警戒した。
この世界で3人目となるタロットカードの所持者。
『1.THE MAGICIAN 魔術師』を持つ創野 造宮は娘に似ているということで友好的ではあった。
だが最初に出会ったというべきか、まぁ『12.THE HANGED MAN 吊し人』には殺されかけた。
そんなこともあり、警戒だけはしていた。もしかしたら創野 造宮みたいに友好的なのを期待しつつ私は睨みつける。ただただマカオの挙動を一つ一つ。
するとマカオはこう言った。
「やっだもー♡そんなに見つめないでよ♡私は争う気なんてないわよ。だって紫乃ちゃんかわいいしー、面白いし!恋人からもどっちでもいいって言われてたかーらー、ね?だからそんなに見つめないでよぉ♡」
えと、つまり、これは、ドユコト?
紫乃は混乱した。これは当然である。
シリアスな雰囲気っぽいのからオカマワールド全開は差が激しすぎて、紫乃の思考回路はショート寸前である。
「もー、ちょっと固まんないでよぉ!もう!さっ席について私の話をしてあげるから。ね?それに危害は加えないわよ。」
紫乃は素直にそれに従った。
そう彼女は何も考えたくなかったからだ。
はい、久々ですね、本当に。最近忙しすぎて書けないのがつらみです。投稿ペースは2週間に1話は絶対に出すつもりではあります。
読んでくださってありがとうございます、




