第10話 決闘と言う名の
というわけで、やることになりました。はい。
「立会人、彼女ら2人は己の理念に基づき正々堂々と決闘するように!」
立会人?のファンネルが言った。
いや誰だよ。前回の話にいなかったよな?
ちなみに、私は先ほど目の前に刺さった剣を握ってます。
「女騎士カルヴァネーラ中隊長アントネル・サファケイト参る!」
名乗り合いから始めんのかい
「えっとー、D級冒険者 清野 紫乃参る...」
こんなかんじでいいのか?
「では......始め!」
その言葉とともにサファケイトは剣を私に振りかざしてきた。
十メートルはあっただろう距離を一瞬で詰めて。
私は持っていた剣でそれを防いだ。
キンッ
そんな音が聞こえる。
私は驚きながらだったから、力を入らず受け止めきれなかった、が避けるにはじゅうぶんだった。
だがおかしい私はこんな反射神経はもってなかったらはず、なのに相手の剣筋がよく見える。
そんなことを思っていると、サファケイトは二撃三撃と私に剣を向け横に振ったり、下から上に築き上げてきたりと、してきた。
私はそれを剣で自分が斬られないように剣で防ぎ、避ける。
私にはそれしかできないのだ。
「どうした?避けてばっかじゃ話にならなんだが。よくもまぁそんなんでAAA級の素材を持ってきたものだ。どこかで買ったんじゃないのか?」
サファケイトは笑いながらそう言ってきた。
だが、これは挑発だ。
それは紫乃もわかってはいる。
だが、彼女はこの挑発に乗ることにした。
「そんなわけ、あるかぁぁぁぁ!」
そう叫びながら紫乃は大振りに剣を振りかざした。
だが、これは挑発に乗ったふりだ。
だから彼女は冷静でいるし、サファケイトの次の動きにも対処できる。
「......興醒めですね」
そうサファケイトは言うと紫乃の剣を弾き飛ばし、二撃目で仕留めにかかった。
紫乃は避けれると思った。そうさっきと同じならば...
残り僅かのところで、サファケイトの剣を振り下ろすスピードが一気に倍近くになったのだ。
紫乃は何も考えられず、ただ己にくる死だけを悟った。
その瞬間
生暖かい液体が自分の顔にかかるのを感じた。
それは紫乃自身の血ではなかった。
そこにいたのは、白銀の鎧に後ろで髪を束ねた白髪の女性だった。
彼女の肌の色は白い。
だが今は左腕だけは赤く染まっている。
「サファケイト、これはどういうことだ?」
彼女は自分の腕の傷などなかったかのように、言葉を紡いだ。
「はっ、ギルドに私がいたところAAA級の素材がD級冒険者によって持ち込まれたと知り、その冒険者の能力を試していたとこです。」
サファケイトは片膝をつき顔は伏せ、そう告げた。
「だが、今の一撃は確実にこの子を殺せる一撃だったよな?それはどういうことかね?」
彼女はとても静かに怒っている。
今の決闘について。
私が言えなかったこと、私が聞きたかったこと、全て聞いてくれていた。
彼女はきっと偉いのだろうな。見た目とか、この決闘自殺女が固まってるし。
「そ、それは...」
彼女はそれ以上言葉を紡がなかった。
否、紡げなかったのだ。彼女は自分の返答次第によって、自分の首が飛ぶのがよくわかったからである。
「はぁ、どうせいつものごとく、決闘申し込んだんだろ?いつになったらそれをやめるんだ?いややめなくてもいいから今すぐ目の前から消えてくれないか?」
「は、はい。大変申し訳ございませんでした。それでは失礼いたします。」
そう言ってサファケイトはそそくさと逃げていった。
その姿をポケーと見てると先ほどの女性が近寄ってきた。
「すまない。いつも言ってはいるのだがな、あいつはいつもこうなのだよ。
うちの部下が、本当にすまない。
一歩間違えればあなたを死なせていた。
それに変わりはない、何か詫びをさせて欲しい。
何かご所望のものはありますか?」
そう言ってきた。とても丁寧に
欲しい物ね、考えながらふと彼女の左腕を見る。
「...!!」
それを見て私は驚いた。
先ほどのサファケイトの剣で斬られていた腕が治っていた。
あの会話の時間で、だから私の欲しいものは...
「貴方のような剣士になりたいです!」
脊髄反射だったのかもしれない。だが後悔はしてない。いやする意味がない。
「ふふっ、ふははは。」
彼女は腹を抱えながらわかった。
「いや、すまない。私に教えを請う人なんて初めてでな。
あぁ、うん、いいよ。教える。さて、
『剣姫 クラウドネル・ファナレルが我が剣 断罪剣 コンヴェクションに誓おう』」
「よろしく頼む」
そう言って手を差し出された
「お、お手柔らかに」
私は握り返した。あれ?これ少年誌でありそうだなと思いながら。
こうして私の剣の先生をゲットした。
あれれ?目的じゃないものをゲットしているような...
えー、これでやっと序章が、終わることができました!次からは一年後になります。
読んでくださってありがとうございます




