キミの命はあと3か月、それならキミを1日1日写真に残しておきたい!
僕の名前は 『遠山 カケル』 32歳、広告代理店で働いている。
彼女の名前は 『中里 あゆか』 26歳、彼女も僕と同じ職場で働いている!
僕とあゆかは、職場の人たちに黙ってこっそりと付き合っていたんだ、、、!
あゆかと付き合って、もう2年になる、、、!!!
キッカケは、職場の飲み会の帰りが一緒の方向で同じタクシーで帰る事に
なったのがキッカケ、、、。
それまでも、あゆかと一緒にいると落ち着くと言うか、、、?
好きなモノだったり、趣味も合うし、考えるタイミングや思い浮かぶモノ
まで似てて、性格も僕とピッタリ合う感じの女の子だと思っていたから、、、。
*
・・・ある時、僕から思い切ってあゆかに告白した、、、!
『・・・もし良かったら? 僕とね、付き合あってくれないかな、、、?』
『うん! いいよ! 遠山クンにそう言われるのをずっと待ってたんだ、、、!』
『えぇ!? ほんと! じゃ~もっと早く言えば良かったかな、、、?』
『ううん! 告白してくれたからいいよ! 許してあ・げ・る、、、!!!』
『・・・なんだよ~それ?』
僕は、そう言いながらも嬉しかった、、、!
あゆかに告白して良かった、、、!
心の底から、あの時の僕はそう思ったんだよ!
▽
・・・そして、あゆかと付き合ってもう直ぐ2年になる!
僕は遂に、あゆかにプロポーズをする事にした、、、!
『ねえねえ? あゆか!』
『・・・ううん? なに?』
『これ!!!』
『えぇ!? “指輪”』
『僕と結婚してください!』
『・・・あぁ、ははい! 喜んで!!!』
*
僕たちは、これを機に職場の人たちに僕たちが付き合っていた事や
結婚する事になった事をみんなに打ち明けた、、、!
『ええーーーーえええええ!? マジですか!?』
『いつの間に、、、二人はそんな関係になってたのよ~』
『でも、おめでとう~遠山さん! あゆかの事よろしくね!』
『あゆか! 幸せになるんだよ~!』
『良かったな~あゆかちゃんみたいな可愛い女の子と結婚するなんて!』
『いやいや~おめでとう~!!!』
*
みんなに祝福されながら、あゆかは仕事を辞めた、、、!
本人の意思で、家庭に入りたいとあゆかから言ってきたから、僕はそれを
受け入れた!
家に誰かが居るって幸せだ~!!!
【いってらっしゃい!】 【おかえり】 【ただいま】
家に帰れば、愛する妻が料理を作って待っててくれる、、、!
あゆかと話す時間は、物凄く僕にとってリラックス出来る時間なんだ、、、!
彼女は、僕の話を聞くのが上手い!
聞きだすのも上手い!
【聞き上手】【話し上手】
知らず知らずのうちに、何でもあゆかに話している。
僕は、あゆかに隠し事が出来ない、、、!
『幸せって! こういう事なんだと思う...。』
▼
あゆかと結婚して、半年が経ったころ、、、。
あゆかが、僕に大切な話があると言ってきた、、、!!!
『どうしたの? 大切な話って、、、!』
『・・・ごめんね、本当に、ゴメンナサイ、、、。』
あゆかが、突然! 僕の前で泣き出してしまった、、、!
『どうしたんだよ? 何があったの、、、?』
『私、末期のガンなんだって! 健康診断を1週間前にして、その診断結果が
今日、届いたの? そこに書かれていたのは、“私は末期ガン”なんだって!』
『【末期ガン】って、、、?』
『子宮がんが、あちこち移転して、もうどうしようもないって、、、。』
『手術は、、、?』
『薬しかないらしいだけど、、、? 治る可能性は、5%もないらしい、、!』
『・・・そんな、』
『ごめんね、カケル! 結婚して半年しか経ってないのに、、、! こんな
事になっちゃって、、、!』
『なんであゆかが謝るんだよ! 誰が悪いって訳じゃないよ!』
『・・・・・・ううん、でも、』
そう言うと、、、?
あゆかは、ずっと下を向いて泣いていた、、、!
僕は、あゆかに何1つ気の利いた言葉をかけてあげれなかった、、、。
ただ、僕は黙ってあゆかが泣き止むのを待っていた、、、!
*
僕はこれからは、あゆかの傍にいたいと思い、、、。
僕は、会社の上司に正直に言って! 【辞表】を出したが、、、!?
僕の上司は、僕にこう言った、、、!
『・・・うーん? 話はよく分かったよ! 遠山が会社を辞める必要はない!
ただ今は中里の傍に居たいだろうから、有休を使えばいい! お前! 真面目
だから! 有休溜まってんだろう? 好きなだけ、中里の傍に居てやれ!』
『・・・ありがとうございます! 本当に感謝します!!!』
『他の奴には、俺からちゃんと話しておくから! じゃ~今日はもう帰って
いいぞ! 中里によろしく言っといてくれ!』
『ははい!』
僕は、この日からずっと! あゆかの傍にいる事に決めたんだ、、、!!!
二人で、交換日記もして! たくさん二人の時間を作って! たくさん話して!
毎日毎日、僕はあゆかの望みを1つずつ叶えていった...。
『ふたりだけの時間を楽しむ事、、、!』
・・・それと、必ず1枚! 僕はあゆかの写真を撮る事にしたんだ、、、!
僕の記憶の中に、あゆかを刻みたいと想ったから、、、。
あゆかも、僕のその考えに賛成してくれた。
▽
僕とあゆかが一緒に居れる時間は、、、たった3か月しかない、、、!
たくさんのあゆかとの思い出と溜まっていくあゆかの写真。
時間は、残酷にもあっという間に過ぎていく......。
気が付けば、、、?
その3か月が過ぎようとしていた、、、!
あゆかは、1か月前からずっと入院する事になったんだ、、、!
だんだんと弱っていくあゆかを、僕はずっと見続けている。
あゆかは1人で歩けなくなる、話すのもやっとで、食欲がどんどん落ちてくる!
もう1人じゃ何も出来なくなった。
ずっと寝たきりになる!
僕の話も聞き取れていない!
眠る時間が増えていく。
僕がお見舞いに来ても、ずっと寝ている。
・・・そして、あゆかは亡くなってしまった、、、!
まだ26歳という若さで、亡くなってしまうなんて、、、!!!
*
僕の手元に残ったモノは、、、?
あゆかと交換日記したノートとあゆかを毎日撮り続けてきた大量の写真。
そして最後に、僕に残してくれた手紙があった!
最後のあゆかの書いた文書はこうだった、、、!
『私は、タケルと結婚出来て! 凄く幸せだったよ! タケルと一緒に
居れた時間が私の癒しであり幸せだった! 本当にありがとう! でもね?
タケル! 直ぐじゃなくてもいいけど、、、? イイ女性がいたら?
付き合っていいだよ! 本当は嫌だけど? 私がタケルの傍にずっと居てあ
げれないから! 幸せになってね! 本当にありがとう。 あゆか。』
『僕は、あゆか以上の女性を愛せる事ができるのかな、、、? 今の僕には
何も考えられない、、、!!!』
最後までお読みいただきありがとうございます。