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「ぼくとみつばち」


宇宙には何億という数の惑星がある。

灼熱の嵐が吹き荒れる惑星もあれば、凍てついた氷の世界のような惑星もあるだろう。

夜空を見上げるとき、天体望遠鏡を覗き込むとき、遠い宇宙の観測データを眺めるとき、ぼくたちはいつだって、見果てぬ遠い世界を思い描く。

まぶたの裏に浮かんだ世界を夢見て、ぼくたちの心はときめく。


想像力はさらに飛躍する。

では、生命のいる惑星はどんな惑星だろうか。

地球のように水があって、大気があって、程よい気候が維持されている、そんな環境だろうか。

でも、本当に地球と同じような惑星にだけしか生命はいないのだろうか。

もっと突拍子もないような、そんな環境にこそ生きられる生命の惑星、というものは存在しないのだろうか。

ぼくたちの想像力の射程は、どんな遥か彼方の世界まで届く。

本当に存在するかどうかはわからないけれど、今いる世界の常識では考えつかないような、手で触れることも出来ないくらいに遠く離れた世界のことだって、ぼくたちは想像することができる。


ただし、「想像できる」ということと「実際に存在している」というのは当然別だ。

さらにいえば「存在していることを客観的に確認できる」というのも別の次元である。

ぼくたちの想像力は、いつだってぼくたちの観測可能限界の先にある。

想像力に追いつくために、ぼくたちはいつだって限界のその先に手を伸ばし続けている。


「ねぇ、聞いてるの?」

ぼくは不意に現実に引き戻された。

新宿西口から近い雑居ビルの二階にあるビストロは、いつものようににぎわっていた。

目の前の女性は不服そうな表情で、グラスに残ったレモンハイを飲み干す。

「まーた、遠くのこと考えてたでしょ」

彼女は空のグラスをテーブルに置くと、チーズがどっさりと振りかけられたフライドポテトをつまみながら、上目遣いにぼくを睨んだ。

彼女にそんな意図はないのだろうけれど、その仕草は凄く大人の女性を意識させて、ぼくにはひどく魅力的に見えた。

ふわりとキンモクセイの香りがして、店内のざわめきが急に遠のいた気がした。


「聞いているよ。そんなことより、何か注文する?」

ぼくはとっさにメニューを広げてみせた。

「んー、そうだねぇ」

さっきの不服そうな表情はどこに行ったのか、楽しそうに身を乗り出してメニューを覗き込んでいる。

「じゃあ、これにする」

彼女が指差したのは蜂蜜入りのレモネードをイメージしたカクテルだった。

蜂蜜入り、というのを強調したいのか、メニューには可愛らしくデフォルメされたミツバチのイラストが添えられている。

「ミツバチか…」

彼女の話を思い出して、ぼくは気付かれないように呟かずにはいられなかった。



ぼくが彼女を初めて見たのは、高校一年の四月、天文部の部室だった。

入部届けを持ってその部屋に入ったとき、一学年先輩の彼女は部室の片隅でパソコンと向き合っていた。

無愛想で他人にあまり興味がないのか、ぼくが他の先輩といくつかやりとりをしている間、彼女はこちらを向くことすらなかった。


初めて声をかけてもらったのは、夏休みに行われた天文部の合宿だった。

「写真撮るの、上手だね」

前日の夜にぼくが撮影した月の写真を気に入ってくれたらしい。

彼女はその写真を、部活のホームページのトップページに使ってくれた。

その時の会話をきっかけに、それ以降も彼女はぼくと会話をするようになり、しばらくすると、彼女の話し方も次第に柔らかくなった。

ぼくもあまり人のことは言えないけれど、彼女も結構人見知りをするらしかった。


もちろん、本を読んでいることが多いぼくと、パソコンに向かっていることが多い彼女では、それほど頻繁に話をしていたという訳ではない。

それでも、彼女は不思議とぼくから話を聞き出すのがうまくて、ぼくは本当に色々なことを彼女に話した。

クラスメイトのこと、そのクラスメイトのことを好きになった昔からの友人のこと、文化祭に向けてぼくが作ってみたいと思っているもののこと。

漠然とした不安を感じる将来のことについて初めて話せたのも彼女だった。

遠い宇宙に魅せられたぼくは天文学が学べる大学をめざし、彼女は彼女で医者になりたいと言っていた。


そんな一番よくしてもらった先輩だったからこそ、彼女が浪人すると聞いた時には少なからずショックだった。

彼女が誰よりも真剣に受験勉強をしていたことは知っていた。

それでも手が届かないほどに、大学受験とは困難なものなのかと、正直不安になった。

ぼくも受験生となり、彼女も浪人生として受験勉強に追われた一年間は、お互い連絡を取ることもほとんどなかったけれど、別の大学に入学することになったとしても同じ年に大学生になれれば良いなとは思っていた。


結果的に、彼女はぼくと同時に大学生になった。

ぼくが彼女と再会したのはぼくが大学三年生になった時だった。

ぼくが通っていた大学も、彼女が通っていた大学も、二年生までに通うキャンパスと三年目から通うキャンパスが異なる。

そして、そのお互いが通うことになるキャンパスは、驚くほどに近かった。

大学が近いから久しぶりに会おうという話になって、三年ぶりに会った時の彼女は、服装やメイクや髪型が、驚くほど大人びていた。

逆に彼女は、ぼくが高校生の時とほとんど変わっていないことを、多少呆れているかのような表情で指摘した。


それからも、ぼくたちは度々食事に行ったり、彼女の弟が参加しているバンドのライブにいったりした。

それでも、彼女の実習が忙しくなり、ぼくが大学院に進学し、としているうちに会う機会は徐々に減っていった。

彼女が大学を卒業し、研修医になった頃には時々メールのやりとりをする程度になった。


それでも不思議と縁があったのか、昨年の四月、ぼくの勤務先に近い病院に彼女が赴任したのをきっかけに、ぼくたちはまた再会することになった。

久しぶりに会った彼女は、少し疲れているようにも見えたけれど、新しい職場は比較的時間に余裕がある病院だったらしく、彼女は少しずつ元気を取り戻していった。

ぼくは、そうやって再び彼女と時間を過ごせることが、素直に嬉しかった。

だからこそ、先月行われたTZ Arietisのライブの帰りに聞いた彼女の言葉に、少なからず動揺してしまったのだと思う。



「あたし、四月からアメリカに留学することになったんだ」

六本木の街で、街灯に邪魔されて見えない星を探していたぼくのとなりで、彼女はぼそりと言った。

「だから、弟をこれからもよろしくね」

突然のことにぼくはなんと答えてよいのか分からなかった。

完全にうろたえてしまっているぼくをみて、彼女は少しおかしそうに笑った。

「そんな表情しないでよ。念願かなっての留学なんだから」

「そ、そうなんだ…、おめでとうございます」

かろうじて絞り出した言葉に、多少なりとも動揺はにじみ出ていたのだと思う。

その返事を聞いて、彼女はまた黙ってしまった。

「じゃあ、来月送別会してね。弟も誘うから」

駅の改札で別れる時、ようやく彼女はそういって手を振った。


そう、本当だったら三人で会うはずだったのだ。

にもかかわらず、

「それにしても、タタラ君はどうしたの?」

「ああ、あいつも誘っていたんだけどね、やっぱり来なかった」

彼女がタタラを誘って、実際に現れた事は今まで一度もなかった。

ぼくと彼女の間ではお決まりのパターンになっているとはいえ、「送別会」と言っても来ないものなのかと、ぼくは少しだけ呆れた。

もちろん、姉弟なのだから、その気になればいつでも会えると思っているのかもしれない。

しかし困ったぞ、とぼくは内心で思った。

お酒好きな彼女が、悪酔いをしてしまった時にぼく一人で止められる自信はなかった。


「だから、本当だったらもっと早くに留学できるはずだったんだよ」

乾杯のために空けたスパークリングワイン、その後頼んだ白ワインのボトル、そして今目の前に置かれている二杯目のレモンサワー。

経験則から言えば、彼女のエンジンがちょうどかかってくる頃合いだ。

「そもそもさ、あたしが女だからって、どうせすぐ辞めるって思われているのが悔しくてね」

そもそも、来るはずもないタタラに期待したのが間違いだった。

ぼく自身も彼女に付き合って口にしたアルコールのおかげで少し頭がくらくらする。

でも、タタラ以外にぼくと彼女の共通の知り合いもいないのだから、彼女と飲みにいこうと誘われた時点でぼくは諦めるべきだったのかもしれない。

「そのくせさ、飲み会になれば恋人は出来たのか、結婚はしないのかって、そんな話ばっかりだから、うんざりしちゃう。

そんな事言われて、あたしがどう思うのかなんて、想像もできないんだから」

そう言った直後、彼女はレモンハイを煽るように飲んだ。

「極めつけは、留学なんかしたら婚期が遅れて妊娠するチャンスを逃すぞ、なんて余計なお世話通り越してセクハラだよね」

あぁ、これはもう止まらないぞ、とぼくは覚悟を決めた。


時々、ぼくは思う。

彼女の周りの人達は、本当に彼女の立場を、気持ちを、価値観を想像する事が出来ないのだろうか?

いや、想像していないことは、ないだろう。

ただ、彼らがその想像でイメージした彼女と、実際の彼女の内面に乖離があるのなら、それは彼女にとって想像していないのと一緒なのだろうか?

彼女の周囲の人達が、その人達なりに彼女のことを想って何かを言っている可能性は、本当にないのだろうか?

ぼくは、目の前にいる彼女が考えていることを想像することはできる。

では、ぼくは彼女の周囲にいる人達の事を想像することが出来るのだろうか?


アルコールが巡る頭の中で、ぼくの思考はここではない場所のことを探っていた。

例えば、彼女の留学を延期にさせた教授には、彼女に臨床医としての経験をもっと積ませたかった、あるいは留学期間中の生活費を貯蓄しておく期間を与えたかった、そんな意図があった、という可能性は本当にないのだろうか。

例えば、女医はすぐ辞めると思っている上司は、過去に部下が一気にいなくなって本当に地獄のような日々を乗り越えた経験があるから、いつでも辞められても良いように予防線を張っている、という可能性は本当にないのだろうか。

例えば、会う度に彼女の恋愛事情に興味がある同僚は、仕事ばかりに追いつめられているように見えてしまう彼女に、せめてプライベートで幸せな事がないだろうかと純粋に心配しているだけ、という可能性は本当にないのだろうか。


そんな可能性を考えてみれば、それはそれであり得そうな気もしてしまう。

もちろん、自分にとって都合の良い解釈がしたいだけなのかもしれない。

ぼくの想像が正しいのかどうか、それはその人達本人に聞いてみなければわからない。

もちろん、実際に聞いてみるなんて、現実的ではない以上、本当のことは結局わからない。

ぼくは彼女の言葉を聞いて、間接的に彼女の周囲を想像することしか出来ない。

そして、彼女の言葉にそんな好意的解釈を裏付ける根拠は何一つないのだった。

それでも、もしも現実がそんなに楽観できるものだったら、彼女だってもっと生きやすいだろうに、とは思う。

そんなふうに思うのは、遠い惑星に生命がいる可能性を夢想するような、途方もない空想なのだろうか。


それでもやっぱり、とぼくの思考は一巡する。

ぼくが想像するのは結局、想像でしかない。

どんなに都合のよさそうな想像をしてみても、それが事実でなければ何の意味もない。

どんなにぼくの想像の中で都合の良い物語をでっち上げたとしても、それが彼女にとっての事実でなければ、結局彼女が苦しむだけなのだ。

彼女にとって、周囲の人間達は彼女の価値観を想像することが出来ない人間達で、だからこそ彼女は彼女の価値観を守るために闘い続けなければならないのだ。

ぼくの想像力はぼくの観測可能限界を超えて、都合の良い虚像を創り上げているだけなのかもしれない。


「ねぇ、聞いてるの?」

ぼくは不意に現実に引き戻された。

「まーた、遠くのこと考えてたでしょ」

彼女は空のグラスをテーブルに置くと、チーズがどっさりと振りかけられたフライドポテトをつまみながら、上目遣いにぼくを睨んだ。

遠くのことを考えていたのは事実だ。

ぼくは取り繕うようにメニューを広げてみせた。

「聞いているよ。そんなことより、何か注文する?」

「んー、そうだねぇ」

さっきの不服そうな表情はどこに行ったのか、楽しそうに身を乗り出してメニューを覗き込んでいる。

「じゃあ、これにする」

彼女が指差したのは蜂蜜入りのレモネードをイメージしたカクテルだった。

蜂蜜入り、というのを強調したいのか、メニューには可愛らしくデフォルメされたミツバチのイラストが添えられている。

「ミツバチか…」

彼女の話を思い出して、ぼくは呟かずにはいられなかった。

「なに?ミツバチがどうしたって?」

気付かれないように呟いたつもりだったのに、彼女は聞き逃さなかったらしい。

「…とりあえず、注文しようよ」

ぼくはごまかすように、大きな声で店員さんを呼んだ。



少しからかうような表情の彼女から目をそらすように、ぼくは黄色いカクテルを見つめた。

けれど、彼女は結局追撃の手を緩めることはなかった。

「また、どうせ面白いことを考えていたんでしょ?」

確認しなくても、彼女がどんな表情をしているかわかる。

「ほんと、いつも面白いことを考えているよね。

以前考えていたのは、『仮想的無限次元空間上の状態ベクトルと唯一無二性の証明に関するパラドクス』だったっけ?

あれ、あたし以外に理解してくれた人いるの?」

からかうような口調は、ぼくを少しムキにさせたらしい。

「あの話を、ハルカ以外にしたことはないよ」

つい、ぶっきらぼうな言い方で名前を呼び捨てにしてしまった。

一瞬、しまったと思ったけれど、彼女は彼女でそんなことにも構わず笑っていた。


「ハチとかアリとか、あるいはハダカデバネズミとか、真社会性の行動様式をとる生物は、全ての個体が生殖をする訳じゃないんだよ」

彼女の笑いが一段落したところで、ぼくは話し始めた。

彼女はニヤニヤしながら、それで?と先を促す。

「ミツバチなら、巣の中の女王バチだけが生殖個体で、他の働きバチは生殖を行なわない。

それでも、働きバチは密の採集、幼虫の育成、外敵の排除と集団組織の維持に貢献している。

だとすれば、それぞれの働きバチはそれぞれに与えられた役割を果たすことで種の保存のための行動をしていることになる」

「生物学的に、全ての個体が均等に配偶個体を見つけ、全てのつがいが同等に生殖をするのが標準だなんてことはない、ってそんな話?」

酔いは回っているはずなのに、相変わらず彼女の切り返しは鋭い。

ただ、彼女にそうやって思考を先回りされるのは不快ではなく、むしろ心地よかった。


「でもさ、ハチの例えだと女王バチも働きバチも同じ2nのメスの個体なんだよね?」

「ゲノム的には同じゲノムを持っているはずなのに、生態が全く異なるのは、例えばミツバチの場合には幼虫期から摂取する餌が違うから、らしい。

通常の働きバチは花粉と蜜だけを食べて育つけれど、ローヤルゼリーだけを食べて育った個体は生殖能力を獲得して女王バチになる」

「じゃあ、ハチの場合には、生殖能力の有無は後天的に決まるって訳ね」

「そういうことになるね」

「じゃあ、ハチの生態が真社会性って社会形態を作っているのか、社会形態を維持するためにハチの生態が規定されているのか、って命題を考えるとしたら正しいのはどっち?」

「ハチの社会形態は結果であって目的ではないよ。だから正しいのは前者だ」

「だよね」


ここまで喋って、彼女は一息つくようにカクテルを口にした。

「でもさ、君はこの話を、色恋沙汰もなくて仕事ばかりのあたしに、そんな生き方でも構わないって、そんなことを言おうと思ってしたわけ?」

口元は笑っているけれど、射抜くような視線は笑っていない。

「どうだろう、生物学的多様性と人間社会における多様性とは、別の問題だったかもしれない」

「そう?」

「どちらにしても、絶対なんて生き方はないと思ってはいるけどね。好きなように生きて、好きなように全うすればいいって」

やっぱり、ぼくも酔っぱらっているらしい。

普段のぼくだったら、こんなことは他人に言わなかったかもしれない。

視界の端でグラスの輪郭がぼやけている。


「個別の事例として話をするとややこしくなるからさ、あくまでも一般論として聞いてもらいたいんだけどさ」

彼女の方はさっきの会話でスイッチが入ったらしい。

生き生きとした表情で身を乗り出してきた。

「例えば、少子化の原因には社会制度の問題もあるのかもしれないけれど、一方で個人個人の価値観の変化による影響もあるかもしれないよね?」

「まぁ、それぞれの事情があるだろうから何とも言えないけど、そういう側面がある可能性も否定はできないね」

「じゃあ、君はさっき『ハチの社会形態はその生態が作った結果だ』って言ったけど、この人間の価値観の変化は社会形態を変化させることになるの?それとも社会形態が人間の価値観を変化させているの?」

「人間の価値観の集合が社会形態を規定するのか、人間の価値観は社会形態を含めた環境に規定されるのか?って言い換えれば、やっぱり前者なんじゃないかな」

「でも、現行の社会形態を維持するために、人は普通って価値観を規定して、多数派の価値観をコントロールしようとするよね?あたし達が好きなように生きるって思っているこの思考も、環境要因に規定された、作られた思考なんじゃない?」


そろそろ、さすがに飲み過ぎたらしい。

時間も時間だし、とぼくは二人分の水を注文して、そのまま会計をお願いした。



空港から飛び立っていく飛行機を、ぼくは見上げていた。

タタラと一緒に見送りを、と言っていたにもかかわらず、結局今日もぼく一人が見送るはめになった。

雲一つない空に吸い込まれていく機影。

多少暖かくなったとはいえ、風が吹くと肌寒かった。


ぼくは、最後に二人で飲み過ぎた夜のことを思い出していた。

足許もおぼつかない彼女をタクシーに押し込んだ時、ふわりと香ったキンモクセイの香りとともに、最後に彼女がぼそりと言った台詞がまだ残っている。

「働きバチは、恋愛感情も持たないのかな?」

そんなことは、確認のしようもないし、ぼくの想像力の限界も超えている。

けれど、彼女は想像できたのだろうか。


同じ惑星上、海を隔てただけの向こう側。

その向こう側を、ぼくはまだ想像できないでいる。

でも、いつかは届かせることが出来るはずだ。

手で触れることが出来ないくらい離れた場所を想像する力を、ぼくたちは持っている。

想像力の射程を伸ばして、きっといつか、追いつける。


機影が消えていった方向の空を、ぼくはしばらく見上げていた。

随分間が空いてしまいました。


今回は少し読みにくかったかもしれません。


次回で完結です。

この「ぼく」の物語に、もう少しお付き合いください。

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