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猫の許し
(1)
かつて猫は森にいた。
そこに人が来た。猫は怒り、人は猫に許されるために鼠を献上するようになった。
寛大な猫はこれを許し、人がそばで暮らすことを認めた。
一番最初の「許し」である。
人が猫に食べ物を献上する限りにおいて、猫は人がそばに仕えることを許すだろう。
(2)
猫に触れられる人は猫に許された人である。
猫に触れられる人は幸福である。猫に触れられるからだ。
(3)
猫に許されたいと思うならば、猫に近づこうとしてはならない。
あなたが猫に許される人ならば、猫は自らあなたのもとへゆく。