20章 溜め続けた涙
こんにちは、こんばんは剣 夏向です!
アクセス数1000回ありがとうございます!これからもよろしくです…
今回、短いです。すいません!
では始まります。
It's show time!
World heroは目を覚ますと、ぼやけた視界にルビアンを見つけた。ルビアンはそっと、倒れたままのリンナを抱きしめていた。
仲間の自分達でもこんなに辛いのだ。実の兄ならもっとであろう。
それをWorld heroは熟知していた。そっと近づいて気がついた。ルビアンは泣かずに、ただ一点を強く睨みつけていた。
この世の矛盾を噛み締めるように。
そんなルビアンにリュカが話しかけた。
「…なぁ、ルビアン。今のアンタには余計なお世話かもしれんけどな、泣いたらアカンで。リンナもそう思っとるわ」
「……君に…何がわかる…っ」
「うちやて分かるわ。…うちもずーっと昔に弟を亡くしてんねん」
他の4人は俯きながら思い出していた。
あの、残虐な事件を。
ルビアンは、はっとしてこちらを見た。
どこか遠くを見ながらリュカは続ける。
「あの頃、うちは5歳やった。…涼大は…3歳やったかなぁ…」
「そんな…小さい頃に」
ルビアンは目を見開いた。
「せやね。短い間しかおれんかったけど、いい子やった。愛想良くて、優しくて。欠点なんて、わからんくらいやった。けどな…」
リュカはしばらくためらって、ボソッと零すように呟いた。
「…誘拐されてん。公園で」
「…!」
「そっからの1年間は、何食べても何しても味気なかった。ぼーっとしとったら…」
リュカは悲しそうに笑いながら言った。
「誘拐から1年半して、遺体が見つかったんや」
「…!!」
「酷い姿やった…痛めつけられたんやろうね…。なんで、助けてやれんかったんやろね?
なんで…うちが代わってやれんかったんやろね?なんでやろね?なんで涼大なんやろね?」
そう言いながらリュカはぼろぼろと泣いた。
グレイア達も、初めて見たリュカの涙。
これを、リュカは…いや、香奈は8年の間我慢し続けてきたのか。
そう思うと、誰もが目に涙を溜めた。
「だからっ…うちは強くなって…次こそ守ってやるんや…!」
「そっかぁ…涼大くんは……愛されていたんだね」
ルビアンはそっと呟いた。
そして言った。
「でも…僕等は違う」
読んでくださりありがとうございました!ではまた次回の小説でお会いしましょう。じゃあ、ばいばいっ(*´ ³ `)ノ




