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1章 小さな小さなヒーロー達
序章
永い時を経て、ヤツは復活した。
その永い間、ヤツは獣が獲物を狙うようにじっと喰い物を観ていた。
━━━━時は来た。
欲望がヤツを動かしていた。
「さぁshowのハジマリだ…」
ヤツを止めなくては━━━━!
この上ないくらいのキラキラした目でテレビを見つめる男。彼の名は赤星 絵斗。中学1年である。
絵斗の見つめる画面には、なにやら外来生命体らしきバケモノと戦う5人のヒーロー。
しかし、驚くなかれ。これはアニメなんかではない。実際に起こったニュースなのだ。
そして今まさに赤いヒーローが技を繰り出そうとしたその瞬間!
画面は闇に染まった。
「!?」
振り返ると、般若のような(下手したらもっと怖い)顔をした母さんが立っていた。
「絵斗!宿題やったの!」
━━━ハテナマークがついてないあたりやってないことはわかってるな
などと思いつつ、自分の部屋に…
なーんて思ったら大間違いだ!
目にも止まらぬ速ワザ(?)で外へ駆け出す。
アソコへいこう!
アソコなら誰かがいる!
小さな小さなヒーローは
大きな大きな世界を救う?