魔王様の再生事業2
会議は八時間に及んだ。
現魔王は憔悴しきっている。
会議場を出て良一は大きく息を吸った、外気が身に染みる。
今まで放置されていた問題が次々と浮かび上がり予定の二倍も時間が掛かってしまったのだ。
良一はバツが悪そうに頭を掻く。
ディルドレと合ってから未だ一睡もしていない、夜も明けて太陽が燦々と輝いていた。
「お疲れさま、良一補佐官。
会議はどうだったの?上手く行った?何も無かった?」
ディルドレが不思議そうに尋ねてくる。
「あ、ああ。でも”超”重要な問題がある。
今、軍に召集をかけたら何人集まるの?それと一回執務部屋に戻らないと。」
ディルドレは急に機嫌な目つきになった。
何が不満なのか良一には一切理解できない、だがそれ以上に問題なことは山ほどあるのだ。
「せいぜい二千人位ね、基本的に窃盗をしてる奴の大半が”旧軍人”よ。
地図なら部屋にある筈よ。
(折角この街を案内しようと思ったのに・・・)」
「ん?何か言った?それよりも軍の整備をして技術力も上げないと!」
良一は一つの目的を遂行しようとすると周りが見えなくなってしまう。
だがそんな考えは良一の頭には一切過ることは無かった。