6:天統者
『まぁ君であって君じゃないんだけどね』
僕は天使に問う
お前は見てたのか?
『まあね、聖職者たち皆驚いてたよ。いや驚くころには死んでたかな、あいつ本当に容赦ないよね』
聖職者が殺されてもなんとも思わないのかお前は
それでも天使なんだろ
街を歩きながら天使と話す。
『べつに僕を信仰してるわけでもないしね。
人間がいくら死のうと僕には関係ないよ』
そうかよ
『いい加減、その天使ってひとくくりにするのやめてくれない?僕は、天使の中でも熾天使、雷を司る大天使セラフィエルなんだけど?』
名前か...どうして僕がお前ら天使の言うこと聞かないといけないんだ?
『なに怒ってるんだよ、相変わらず君には理解に苦しむよ。まぁ退屈せずには済むけどね』
せいぜい怯えてろ利用できるうちは使ってやる
全て終わったらお前も殺してやる
『そうかいそうかい楽しみにしておくよっと』
相変わらず口の減らない天使め
それより、俺は天使の宿る剣とは違う剣に目を向ける
"こいつ"をどうにかしないとな
『君には手に負えないと思うけど?』
お前にもこれを抑える方法、わからないか?
『夜だけなら魔術師に特殊な聖護符でも作らせたら
なんとかなるかもね。』
そうか魔術師、探してみるか
『僕が言ったのは並みの悪魔ならって話だよ
君の魂を喰ってるやつは相当高位の悪魔だ。
普通の魔術師には荷が重い』
だがそれだけ魂を引き換えに手にする力は大きい
僕の魂が喰いつくされるのが先か、
全ての天使と悪魔を殺すのが先か、僕は負けない。
こいつらには絶対に。