5:リヴィラの街
目が覚めると、やはり宿のベッドの上だったがすぐに違和感を感じる、だがいつものことだと割り切って朝食に向かう。
「あんた、名前は?」
ばあさんが聞いてくる。
「ルーク、それがぼくの名前だよ」
「そうかい、あんたここにいつまでいるつもりなんだい?あと9日は居ていいがね」
「9日以内には出て行くさ」
そういって、ルークが宿を出ると何やら騒ぎが起きているらしく広場に人だかりが出来ていた。
「聖職者殺しだってよ」
「ほんとに?それって」
「あぁこの街の聖職者、司祭様まで皆殺しだってよ」
「たった一晩で?」
「悪魔の仕業なんじゃ」
「ああそうかもしれないな」
「この街にいて、大丈夫なの?」
「だから、この街に天統者様が来てくださるんだろ」
天統者...天使の宿る武器をつかう人間、支配者だ。
『へぇ、天統者かぁ君チャンスなんじゃない?
天使を殺すんだろ?』
俺にしか聞こえない声が聞こえてくる。
『だけどねぇ、知ってると思うけど僕には天使を
殺せないよ。僕は天使だからね。やっぱりあいつ
を使うんだね』
仕方ないだろ、それしか方法がないんだ
『これ以上使うと君は、もう戻れない。
もう半分は君じゃないんだろ?』
お前に言われることじゃない
『君も気づいてるんだろ?例の聖職者殺し
君がやったんだよ』
そんなこと...知ってたさ