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23:旅立ち
『それじゃあ準備も出来たことだし、行きましょうか』
そんなこと言う銀髪の美しい彼女に
「それ全部持ってくの?」
と聞くのは男ながら端正な顔立ちをした美少年。
その視線の先の少女の両手には、いかにも重そうな大きな革の鞄が二つもある。
『だってわたしの"店"には使える商品しか置いてないし...』
まだ店もといボロ屋のことを引きずってるのか...
などと思いつつ。
「はぁ、僕が持つよ。君には案内してもらわなきゃいけないしね」
「えっと次はどこに行くんだっけ?」
『わたしたちの目的地はパルシア王国よ!』
『そこに天統者がいるらしいわ』
「それって、どのくらい遠いの?」
『そうね、ここから西に200㎞ってところかしら』
彼女の告げた距離を聞き、
早くもうんざりとするルークであった。