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2:目覚め
少年の目の前にいる存在なんと表現すればいいのかその天使は、神々しかった。
眼前で無慈悲に起こる悲劇をただ眺めている
だけだった。
その時少年の瞳には一筋の雷光と共に『それ』と
戦う、少女の姿が映った。
少年は何もできなかった。
たとえ少女が斬り伏せられようとも。
そして少年は力を望んだ。
僕は何もできなかった。
いや違う何もしなかったんだ。
きっと、確かに何かを変えるだけの力を
持っていたはずなのに...
「くそ、またこの夢か」
少し青みががった黒髪の少年ルークの目覚めて第一声これは『あの日』から一度も変わったことがない。
「支度...するか」
身支度は、なんてことなく、数十秒で終わる
まぁ理由としてはルークの持ち物の少なさだ
両脇に差した二本の剣そして少しばかりの
金貨が入った小袋、愛用の毛布、たったそれだけだった。
「さて、街でも探すか」
そう少年は道に迷って森で野宿をしていた。
そして街を目指して歩きだすルークだった。