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16:マリサナ市街地 2
市街地の近くの服屋の主人に貴族風の衣服を
といって買った、まるで騎士のような衣服を身につけ
検問所に向かって歩いていく。
検問所の衛兵がルークに言う。
「貴族の紀章か通行証がないとここは通れませんぜ」
「見たところお若いようですがどこかの貴族の跡継ぎですかい?」
「セラフィエル、この人たちを数秒でいい気絶させろ」
そう小さく呟いたその瞬間、衛兵たちは魂が抜かれたように倒れた。
彼らが倒れている間にルークは市街地へと
足を踏み入れる。
外の他の街並みとは違い、豪華で大きな建物が
そこかしこに立ち並んでいる。
大きな道はこの大きな街の中心の聖堂に続いているようだった。
聖護符の効果は一週間と言っていたか、銀髪の彼女
のことを思い出しながら考える。
聖護符の効果がある間は夜も動ける。
暗殺は今日の夜にするか、計画は昼間のうちに考えて
なにも思いつかなければ力押しでもいいか
なんにせよ夜までまだ時間はある。
情報は多いに越したことはない。
そんなこと思ってルークは市街地を歩き始めた。