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青森

作者: ria


このくらいの歳になると、ひたすらに目前のことばかりをがむしゃらにやることはできません。

がむしゃらにやったことは人のためになることなんて滅多にないものですから。

でも、どうしてもしたくなるのです。

将来のことなんて考えたこともなかったものですから、

ひた走ってきたものですから、

現実から目を背けたくなるのです。



朝、家を出た、すると、あの真白な世界。

家外の匂いを目一杯肺につめこんで真白の中を走る。走る。

ときたま、やわらかい雪に足を取られ、

ときたま、やわからい雪の下のつるつるに凍った地面に滑る。

でも、そんなことお構いなしに

脚で雪を捕まえながら、

走り続ける。



真白の上に身を投げる。

すると、赤く凍った肌がよりいっそう赤くなって身体は熱を持つ。

触れて、冷たいと認識するのに、こんなにも、芯は温かくて、

いつも不思議な気持ちに駆られて空を見る。


しばらくすると、芯も冷めて、いやに冷静に、この先のことなんかを考える。


でも、いっこうに冷めるばかりで、私はついに雪かきを始める。


がむしゃらに、

がむしゃらに、

雪をかく。


私は恥ずべきことなどないのだと。


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