あとがき
なんですぐにあとがき書かなかったんだろう。後悔している。一か月以上経って書くあとがきに何の意味があるのか……! まず初見の方にごめんなさい。こちらはイラストレーション部で連載していた
4+1thronesの最終話になります。漫画では描き切れそうになかったので小説の形で発表させていただきました。多分そのせいで幾分か好き放題やってしまいました。当初は恐らくフォズの負傷もマシューの全裸もヨハンの嘔吐もなかったと思いたいです。フォズはいつの間にか腕落としていました。アラートも元々結構な強キャラのはずなのにかませ犬が定番化している愛すべきやられ役になっていてびっくりしました。
イラスト部の漫画だけでなく、4+1thrones悲劇編まで読んでくださっている方ならば全て理解できるはず……だといいな……。この話で一応の決着をつけるつもりだったので、不自然になっても何が何でも明かせるもの全て詰め込んだつもりです。ループしていることも、守護神たちの心情も、ヴェルデに課せられた罰も、カルト側の事情も、裏側まで説明しすぎて物語としてどうなの、とは思いましたが、ならば何も明かさずに終わるのか、という問いにはノーでした。蔑ろに出来る子がいないから、みんなかくことにしました。許してください。私が書きたいのは彼らの生きざまであって、物語として最も美しい形をした話ではないのかもしれません。受験というブランクを抱えたままでも、彼らはすらすらと動いてくれて自分が驚きました。一か月も空けちゃったんでまともなことを書けなくて後悔の気持ちでいっぱいですが、書き終わった当時胸を満たしていたのは達成感と愛おしさだけだった気がするのでだいじょうぶだと信じています。それより眠いです。
一番書きたかったのはやはり4+1thronesの由来です。みんなで王座にかけようぜ! 漫画を描き始めたときから浮かべていたシーンです。この話はロートとエイブラハムが人生で初めて分かり合えた話です。マシューという異質な襲撃者によってやっとエイブラハムが口を開き、二人を妨げていたしこりが消え、ブラウやヴェルデの自分を想う行動に本当に偽りのないことをロートが理解し、団結を深めます。
漫画の副題は『転生の騎士と抱擁の羽根』だったのですが、これはカヌエとマリィを指します。カヌエは人間なので竜のマリィと同じ時を生きられません。しかし精霊となった今、たくさんの死に向き合い嘆いていかなければならないのはカヌエの方となりました。これで二人は長いときを共に過ごせるのです。彼はマリィの行く末を見られることを喜んでいますし、ランドルフにも感謝さえしています。ただ、その気持ちがそう簡単に人間の国に伝わることはなく、これからランドルフはどんどん道を踏み外していきます。クリストファーのように、神様であるマシューに狂わされていくヒトです。
また、4+1thronesの影の主人公はヴェルデアスルだと思っています。描いている通り、ロートが奮闘する話ではありますが、逆からはヴェルデの贖罪の物語として見られます。今回はそこを意識しました。
眠すぎて何を書きたかったのかさえも思い出せないまともに書けない…………。ただ言えることは、ただひたすらにみんなが愛おしいだけです。絶対悪を書きたいわけではなく、ただたくさんの人の気持ちが交錯して、どちらが正しいとか善悪で考えられないくらいに、みんなが愛おしい群像劇を書いてみたかったです。4+1thronesハッピーエンドは二次創作並みの軽いきっかけから始めてしまいましたが、こんなに愛着の出る世界になるとは思いもよりませんでした。今はまだ苦しいところにいますが、ハッピーエンドを迎えるべく彼らは頑張っていきます。私も頑張りたいです。読んでくださった皆様、先輩、同輩、後輩、ありがとうございました! 最後の最後にいっぱい書いてごめんなさい、ありがとうございました! 楽しかったです!