第0章4話:全校集会
我が校の選挙制度は会長のみ選挙で決まり,他の役員は会長の指名で決まる.この制度はお友達政権になりやすいだの,途中で仲違いしたらどうするだの,純粋に役員になりたい奴のチャンスがないだの反対派が多いのだが,開校当初から行われており,その時の校長曰く,「役員にのみなりたい奴など社会に出て糞の役にも立たないし,若いうちこそ自分が一番になろうという野心を持て.そして,一緒に苦労してくれる友こそ本当の友だ」という意見で却下され現在まで続いている.
火凛が生徒会長になったのは挑発に乗せられたためだ.火凛とは意見の合わないクラスの学級委員長と喧嘩になり,売り言葉に買い言葉で出馬して,何故かトントン拍子に会長までなってしまった.
そして,一度なった会長職は辞退できないために俺達は火凛に役員に指名されたのだった.
まあ,こんな機会,一生に一度もないだろうから少しは感謝している.口が裂けても火凛の前では言わないが.
「起立!只今より全校集会を始めます!姿勢を正して礼!」
そして,火凜が俺達を見つけた数分後に俺の司会で全校集会が始まった.
「校長先生のお話です.姿勢を正して礼!」
「えー.本日は3つのことについて皆さんにお話があります.まず一点,ーーーーー
ーーーーー.最後に,我が校や他校にて何人か行方不明者,意識不明者が多発しております.警察にも捜索願を出し
ていますが,まだ原因はわかっておりませんので,みなさんくれぐれも気をつけてください.これ以上増えるようなら学校を臨時休校にするなどの処置をとる必要が出てきます.念のため,しばらく放課後の部活は中止とします.」
という物騒な話で全校集会は幕を閉じた.




