第1章19話:目が覚めて
「ん.んっ.何処だ此処.」
俺は目覚めて一人呟いた.
「城のお前の部屋のベッドだよ.」
と声が聞こえ,そっちを振り向く.
「アルフレッド.お前が助けてくれたのか?」
「お前,いや俺たちを助けてくれたのはそこにある宝玉だよ.」
と言い,目線を向ける.その目線を追うと遺跡の中で拾った宝玉があった.
「宝玉が助けた?どうゆうことだ?」
と俺が尋ねると,
「その宝玉の中にはブリューナクが眠っていてな.ブリューナクっていうのは昔,この世界を救った英雄の一人だ.そいつが意識を失ったお前の体の中に入って俺たちを助けたんだよ.」
「何で,そんな奴が俺達を助けてくれるんだ?」
「お前の何かが気にいったらしい.それに,世界に危機が迫っていて,それを救ってくれる協力者を探している口ぶりだったな.」
「世界の危機?」
「ああ.昔封印した悪魔が目覚めたんだと.そして,その悪魔を倒すにはそのブリューナクを含めた神器が必要でそれを集めて欲しいらしい.」
「で,その神器は何処にあるんだ?」
「それは,今親父が調べてる.親父は英雄の伝承を集めるのが趣味だからすぐに見つかるだろう.」
「なるほど,火凜達は?」
「今の時間なら中庭にいるはずだ."放出"と"創造"の訓練をやってる.」
「分かった.じゃ,そこに行ってみるよ.ありがとうな,アルフレッド.」
とアルフレッドから火凜達の場所を聞き,そこに行こうとベッドから降りた.
「アルでいい.」
そこに唐突にアルフレッドが言った.
「えっ!」
「だから,俺を呼ぶときはアルでいい.俺もお前のことをこれからはハヤテって呼ぶからな.」
「どうしたんだ,急に.」
「いいだろ,別に.ともかくこれからはハヤテって呼ぶからな!分かったな!」
とそこまで言った所で,アルフレッドが部屋の外へ早歩きで歩いて行き,
「ハヤテ,カリン達に会う前に親父が呼んでるから,先にそっちに行け.目が覚めたらいつでもいいから来てほしいらしい.後,その宝玉を持って行けよ!親父は執務室にいるからな!」
と言って出ていった.
「それは分かったけど,急に呼び名を変えた理由聞いてねえぞ.」
そして,俺は急にアルが呼び名を変えた理由が分からないまま,オレルアンのいる執務室にいくしかなかった.




