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生徒会転生記  作者: alen
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第1章7話:強化

目を閉じて考えをまとめる.


(魔力を感じろって言われても何をやっていいか分からないんだよな.体の中にあるなら瞑想でもすればいいのか?)



方針が決まった所で,意識を体の中心に向かって伸ばす.すると体の中心に前とは違う何かがあるような気がした.


(これが俺の中に眠る魔力か?まあ,とりあえず,やってみるか.間違いならそれはそれでいいや.

 えっと,今感じているものを循環させればいいんだよな.)


俺は,魔力?と感じるものを意識しつつも一度深呼吸した.そして,魔力?を血液の循環をイメージしながら,体全体に行くようイメージを補強しつつ,深く呼吸をする.


(血液はだんだん体の末端に行き,中心に戻っていく.今血液の中にある酸素と同じようにこれを循環させれうんだ.)


呼吸を10回ぐらい繰り返しただろうか.急に体が浮き上がる感覚がした.


「ハヤテ君,ケイスケ君.目を開けようか.それで自分と相手を見て,意識だけでなく視覚でも魔力を感じてみてみよう.カリン君とサキ君はまだ開けたら駄目だよ.意識をもっと体の中心に,自分と対話するみたいにしてごらん.何かいつもと違うものがないかい?」


とオレルアンが声をかけた.


俺は目を開けまず自分を,次に圭介を見た.自分の方は薄い緑色の膜が自分の体を覆っており,その周囲に心地よい風を感じた.圭介の方は体全体を茶色の膜が多い.少し,地面に埋まっている感じがした.


「ハヤテ君,ケイスケ君はその状態をとりあえず維持してみよう.疲れたら止めてもいいけど,カリン君とサキ君ができたらもう一度やってみてもらうからね.」


とオレルアンは俺達の方を見ながら言った.


そして,俺達はこの状態を維持しながら,火凜と美南さんの方へ目線を向けた.すると,美南さんはだんだん体が青色で覆われるのが見え,火凜は赤色の膜が胸とひざの間を行ったり来たりしているのが見えた.

そして,美南さんの体に膜が行きわたると,オレルアンが


「サキ君も目を開けて,カリン君は今感じてるものを体全体に行き渡せるんだ.焦らなくていいからと声をかけた.」


美南さんが目を開け,自分,俺達,そして火凜の方をみた.火凜はまだ膜を上下させていると思ったが,急にその上下が止まった.そして,表情を少し険しくすると,再び赤い膜が体を覆い始めたが覆い方が,変化した.これまでは徐々に膜が広がっていたのに対し,今回はお腹の部分から,まずは上,次は下という風に膜が広がっていき,だんだんその感覚と,範囲が広くなっていた.

ただ,もう少しで,体全体が膜で覆われるという直前で,


「カリン,そのやり方は駄目!すぐに止めて!」


とサラが叫びだし,火凜が目を開けるとともに膜が霧散した.そして,俺達もサラが叫んだことで気を取られ,火凜と同じように膜が霧散した.


「そのやり方は駄目!そのやり方は体を痛めるの!だからもうしちゃ駄目!」


「そうだね.今君が行った方法,ピストン法って言うんだけど,その方法は君の体への負担が大きいんだよ.ピストン法は常に大量の魔力を移動させるから,負担も大きいし,疲れやすい.それに意識をずっと傾けなければならないから循環法と比べたら効率が悪いんだよ.」


とサラは火凜に駆け寄って肩を揺さぶって叫び,オレルアンは諭すように言った.


「カリン君は要練習だね.さて,みんなも魔力が霧散してしまったみたいだからちょっと休憩しようか.」


とオレルアンが続けると,俺達は緊張を解いた.そして,緊迫した雰囲気がおさまると


「カリン君は完全には出来なかったけど,実際に魔力を感じ,"強化"をやってみてどうだったかい?感想を聞かせてもらってもいいかな?」


と尋ねてきた.俺達はそれぞれ,


「体の中に,いつもの違うものを感じて,これかなって思いました.そして,体に循環させていくと急に体が軽くなって,風を感じました.」


「俺は反対に体が重く感じた.魔力は気と同じようなやり方でできるかと当たりつけたからできたけど」


「私は体の中に2つの大きな塊を感じて,どっちかを迷っているうちに,王様が声を出すから焦っちゃって,とりあえず色がきれいな方を選びました.体を魔力が覆ったときは,少し涼しくなって,霧散すると,私の周りが少し湿ったように感じました.」


「私は,循環させようとしたんだけど,うまく行かなくて,別の方法を考えたら怒られてびっくりしたわ.」


と答えた.


「なるほどね.膜の色は見えたかい?」


と再び,質問すると,


「自分のは緑,圭介のは茶色,美南さんのは青色,火凜のは赤色で見えました.」


「自分のは茶色で,疾風のは色が見えなくて,風が覆ってるぐらいしか分からなかったな.」


「私も自分のと西条君のは見えたけど,北嶺君のは見えなかったです.」


「私は見てないわ!」


と答えた.


「緑,茶,青,赤か.サキ君は"風"と"水"の中なら"水"の方が得意みたいだね.

さて,"強化"で覆われる膜の色は自分の属性の色になるんだ.だから,ハヤテ君は緑,ケイスケ君は茶,カリン君は赤の膜で覆われたんだ.サキ君は2つの属性を持ってるんだけど,焦って選んだ膜の色が青ってことは"水"が本来の属性なんだよ.それに何人か気付いていたみたいだけど,"強化"は完了すると,"火"なら周りが少し燃え,"水"なら周りが湿り,"風"なら風をまとって体を浮かし,"土"なら体を地面に近づけるんだ.

それに,ハヤテ君の膜が見えなかったのは,"強化"の仕方がうまかったからだね.循環はどういう風にイメージしたんだい?」


とオレルアンが言うと,


「自分の中にある血液と魔力を混ぜ合わせていくようにイメージしました.」


「俺も疾風と同じだな.」


「私は,ロケット鉛筆をイメージしました.」


「私は,体全体に魔力を行き渡して,回転させようとしたの.」


と俺達は答えた.


「ふーん.カリン君はイメージの方法が悪いね."強化"は最初から体を覆わなくても,徐々に覆っていく方が維持しやすいんだ.それから,同じイメージで膜の覆い方が異なるのはハヤテ君のイメージがケイスケ君より繊細ってことだね.さて,そろそろ休憩はいいだろ.じゃみんなもう一度やってみようか.カリン君はイメージの仕方を変えて,サキ君は今度は"風"を纏おう,ケイスケ君はもっと詳しくイメージして,ハヤテ君はもっと速くできるように.今度は目を閉じずにやってみようか.」


とオレルアンが言い,俺達は"強化"を再び行い始めた.



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