第0章1話:プロローグ
「ブバァァァァァァァ」
竜の咆哮が上がった.その竜は咆哮を上げながら前進を続けた.
その竜の目の前に左右の腰に剣を提げたサイドポニーの女が立ちふさがった.
「待ちなさい!!あんたのせいで村が一つ滅んだんだからね!これ以上こっちに来たら,叩き切るわよ!」
その女は剣を右手で抜き,剣を竜に差しながら叫んだ.
しかし,竜はさらに前進を続けた.
「待ってて言ってんのよ.本当に切ってやる.」
女は剣を腰に戻し,竜に向かって走り出した.
女が竜に近づくと,竜の尻尾が女に向かって飛んできた.
女は剣を抜いて受け止めようとしたが,ガタイのいい男がその前に立ちふさがり,尻尾を受けとめた.
「尻尾は俺が抑える.早く行け!」
男は受け止めた尻尾を両腕で挟み込みながら走っている女に叫んだ.
「ありがとう.そっちは任せた.」
女は再び走り出し,竜の足元の付近まで近づくと剣を抜いて,竜の足元に切りつけた.
「カキィー」
剣が竜の鱗に弾かれ,女は唇を噛みしめ叫んだ.
「固!!なんなのよこいつ!」
「退いて!!」
その時,剣を切りつけた女と違う女の声が聞こえた.
剣を持った女は後ろに飛びのいた.
「水と風よ,槍を作りてかの者を滅せ”氷槍”」
女が叫ぶと同時に,数十もの氷の槍が竜に降り注ぎ,竜の周りが氷の層に包まれた.
「グバァァァァァ」
咆哮が聞こえるとともに,氷を蒸気に変えながら,呪文を唱えた女に火球が迫った.
「危ない!!」
その時に,もう一人男が現れ,女の子を下にし,伏せた.
そして,男は立ち上がり,女の子の手を引きながら,
「油断するな!遠距離攻撃もあいつにはあるんだから」
女の子が立ち上がると,男は腰から銃を抜き,銃の先端を竜の目に向けて呪文を唱えた.
「まあ,遠距離はまだあるんだけどな.風よ,弾丸となりて我らの敵を穿て”音速弾”
言うが早いか,トリガーを引きと同時に竜が苦痛の咆哮をあげた.
...という所で景色が森から部屋の中に変化した.
「夢か.でも,なんだったんだ,今の夢は・・・・.なんか今の夢,俺の知ってる奴に似てる気がしたんだが・・・.それに,銃は2度と撃たないって決めたはずなのに・・・夢の中でも撃ってんじゃねぇよ!」
と苦々しげに壁に飾ってある壊れた銃を睨みつけた.
まさか,この夢が現実になるとはこの時,俺,北嶺疾風は夢にも思っていなかった.
初めましてalenと申します.異世界召喚物です.生徒会の役員が異世界に転生し元の世界に戻るまでを書きたいと思っています.なるべく成長物語にしようと思っていますが,どうなるかは不明.自己満足と勢いで書いていこうと思っています.処女作なので温かい目で見守ってください.