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明宏というのは
組員の中でも頭はキレるし
知識や情報量も豊富である。
こんな奴が
なぜ暴力団に
入ってきたのか?
と
俺は不思議である。
少年院から出て
フラフラとしている時
若の則夫にゲームセンターで
声を掛けられたという。
高級な食事を
御馳走してもらい
分厚い財布の中を
見せてもらったという。
その則夫の財布の中は
万札がギッシリだった。
うちの組に入れば
こんな大金を簡単に
稼げるようになるぞ!
と
組に入ることを
則夫は明宏に勧めた。
これは
俺と同じである。
バカな俺は本当に
すぐに組の幹部になれて
稼げると信じてしまった。
明宏の場合も
則夫の言葉に
騙されてしまったようだ。
当時の明宏は
一人美人局で稼いだ金も
尽きようとしていたという。
なので
お金が欲しくて
則夫の口車に
乗ってしまったようだ。




