284/300
284
それゆえ
俺と明宏は普段通り
努めて平静を装いながら
事務所に入ると
夜勤の当番の組員に
帰宅の挨拶をしてから
2階に上がることにした。
俺たちの挨拶に
おう!
明日に備えて
早めに寝ろよ!
と
組員の誰かが返した。
おそらく
特に則夫なんて
夜中にも俺や明宏に
雑用をさせたいはずだ。
昔の部屋住みは
寝る暇も無いほど
コキを使われたそうだ。
しかし
最近では睡眠不足で
翌日にヘマをされたら
組にとってマイナス。
うちの組長は
そのような考えを
持っているようで
部屋住みの者に夜間
用事を言いつけるな!
と
組員たちに
周知しているそうだ。
組長命令は絶対である。
それゆえ
則夫も従うしかない。
なので
俺と明宏は今夜も
すんなりと部屋に戻れた。
今の奴らの状況は
2階の部屋にいる
俺たちには見えない。




