転生先は魔物の巣
3人で小屋から出た瞬間、ドン!!!という音とともに国分が吹き飛ばされる。
何かに体当たりされたようだ。
体当たりしてきたのは…
<オオカミ!?!?!?!?!?>
国分が立ち上がりオオカミのような生き物に立ち向かう
<国分さん!?死んでなくてよかった…けどやり合うんすかマジスカ…>
俺と生田は小屋に逃げられるように扉の前でスタンバイ。
決して恵まれた体型ではない国分が素手でオオカミを殴るとオオカミが吹き飛ぶ。
オオカミの元へ素早く移動しそのまま首を締め上げる。
国分は何かをオオカミへ呟くと、締め上げた手を緩めた。
<国分はオオカミと会話してるのか?>
(国分)「ここは魔物の巣らしい。小屋の周りはコイツの縄張りらしく他の魔物は近づかないそうだが、辺りは全て魔物に囲まれているそうだ。一度小屋へ戻って体制を整えた方がいいかもな。」
<ヘ!?ナニソレコワイ…>
オオカミは立ち上がると国分へ首を下げ、そのまま何かを呟き小屋の横へ座った。
俺と生田は混乱しながらも国分の言うよう、小屋へ戻り3人で話し合う事にした。
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(東歌)「何が起こってんの?」
(国分)「まず俺たち3人は異世界に転生してしまったらしい。小屋の外は人を襲う魔物の巣で、俺は仮面の効果か魔物と意思疎通ができ、この世界で魔物と呼ばれている生き物が降伏したり友好関係を結びたいと思えば俺の手下のような存在になるんだ。」
(生田)「これってドッキリやろ?」
(国分)「そう思うなら机の上の地図を手に取ってみればいい。」
生田が地図を手に取ると机の上にあった地図が消える。
(生田)「3Dのようなマップが目の前に浮かんでるけど見える?」
俺たちは首を横に振った
(生田)「やっぱドッキリやろ?」
(国分)「それがこの世界のスキルってものらしい。俺は仮面でこの世界の言葉やこの世界で必要な能力が使えるようなんだ。」
(東歌)「で、俺のスキルってさっき言ってた移動だけ?もう帰ってもいいかな?」
(国分)「東歌も右の人差し指で掌かどこかに数字をなぞってみれば分かる」
俺は人差し指で左の掌に[1]となぞってみた…
(東歌)「赤文字のタイマーで[47:15:51]って目の前に出てきた」
(国分)「恐らくだけどスキルを次に使用できるまでの時間だな。東歌がスキルを使えるのは48時間に一度だけって事をこの小屋が転送された際に説明されてたんだ。」
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・東歌舞人
→スキル「指」
人差し指で人(自分自身や他人1名と持ち物)を異世界と現代を行き来させる能力
無機物は転送時に消滅する
転送は48時間に一度のみ使用が可能
・国分真治
→スキル「仮面」
異世界人の能力が使え、異世界の情報も得る事ができる
魔物を仲間にできる
仮面は脱着が不可能
・生田陽葵
→スキル「マップ」
異世界のマップ全てを掌握
グー○ルマップのようなものが表示され、自分たちが現在いる場所も把握できる
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(東歌)「芝居に乗っかって話するけど、まとめると↑こんな感じ?」
(国分)「信じられないとは思うけど、そんな感じ。あのオオカミのような魔物は"ゾフィ"という個体名でこの小屋近辺を縄張りにしていたハグレモノらしい」
(生田)「ゾフィは私たちにとって無害なん?あと、ハグレモノってなに?」
(国分)「完全に無害とは言い切れないけど、ゾフィに対して攻撃するなという契約のようなものは結べたよ。ハグレモノというのは群れのリーダー争いで負けた個体だってさ。魔物に個体名があるのはリーダー経験があるかどうかって事らしい。」
(東歌)「例えば、48時間後に生田、その48時間後に国分を現世に戻せしたあと、俺自身が戻れば全てが元通りになるんじゃないか?」
(国分)「この仮面はどうなる?ずっと被ったまま生活しろと?」
(東歌)「国分はその仮面が脱げるまでこの世界で生活するってことか?」
(国分)「そうなるな。それが運命というかゲームの攻略のようなものらしい。」
(生田)「国分に付き合ってもええけど、東歌はどう思うん?」
(東歌)「国分は仮面を取る方法は分かってるのか?」
(国分)「断言はできないけど、[指]の持ち主への貢献度が上がれば脱着が可能って事は思考に流れてくるな。」
(生田)「リスクがあるんは国分だけなんやし、国分を助けた後に全員が戻れるんならええんちゃう?」
(東歌)「わ、分かったよ…じゃあ国分の仮面が取れるまでこの世界で過ごして、3人で現世に戻ろう。で、この世界で何をすれば貢献度って上がるんだ?」
(国分)「ありがとう。仮面の情報だとこの世界で生きていく事が難しい転生者のレスキューを手伝えって事らしい。」
(生田)「話がまとまったやん!じゃあ3人で異世界ライフを楽しんだあとに現世に戻りますか!あっ、異世界ってどんな食べ物があるんやろ?楽しみになってきた笑」
(東歌)「国分さん、ここって魔物の巣なんすよね?この山から降りる事は簡単なの?」
(国分)「生田の地図があればなんとかなるとは思うけど、魔物から襲われる危険はあるかな。俺とゾフィで二人を守りながら進んでいくよ。」
(生田)「水と食べ物と着る物はあった方がええよね、城下町って場所があるようやし移動してみようや。」