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放浪の始まり 17 戦闘艦 マルード

猟奇的な表現があります。

ご注意下さい。

アジャイがソフアと一緒に、出入国を管理する事務所に足を運んだ。

ソフアは、モリハンの王城の制服を参考にした制服の確認に別室に向かう。


「寮監が、そんな事を・・・・」

「あぁ、調べてくれ。どうも気にかかる」

「今、ドラウド国出身者で学園に通っているドラーザは13名。

オルルト様の御長女オースロ様、そして弟君オドル様。

この、お二方は除きます。

残りの11名。このうち問題となりそうな貴族出身者は2名。兵士も2名。

残りは技士・平民です。寮監は何と?」

「極端なドラーザ至上主義者は、学園で貴族から平民に鱗を落とす。

鱗を緑に変えるそうだ」

「美術の時間に、青の絵の具が無くなりそうですね?」

「そんな事・・・・・やりかねんな。

ここに来て、ドラウド国だけでは無いそうだ。

ドラウドが、ナフルトと交わした近況報告の書簡にも、友好国の中で引退した年寄りの貴族が昔を懐かしんで、孫や曾孫にファスタバ狩りの事や食事を教えている。

いくつもの実例が報告されていた。

その影響もあって興味を持ち続けているドラーザの子弟の中に、卒業後に隠れてファスタバ狩りをした馬鹿どももいるそうだ」

「この国でも、やりかねませんね」

「あぁ、悪い事にナルフトを放逐されて来た中堅以上の三つの貴族は、どれもがファスタバを喰った疑いがある。

それで島流しになっている。

(おおやけ)にはなって居ないがね」

「そうでしょうね」

「その中でも寄親のバイク家。

もう、貴族としての権限はリシャルに渡す事になっているが、後一年。

成人するまでの期間はドラウド王が預かっているからな。

貴族と言い張っているがハリボテ。

だが今までの権力と金が残っている。

しかもなんと言っても、ドラウド国、王太子妃 候補のリシャル様のご両親だ。

だから、モリハンに残っている二人の兄も、領地を持たない法衣貴族の下級貴族だが、誰もが返り咲く可能性を信じている。

色々と溜め込んだ金貨が効いていて、余り良い噂は聞こえてこない。

何かやらかしたら、持っている貴族待遇は消え去るのにな」

「鱗を抜かれて、長い余生をファスタバとして過ごすしか無くなりますね」


ドラウド国では住民の台帳が備えられていて、それはファスタバ、ファスラーザも例外ではない。

ファスタバ喰いをするドラーザは、間違いなくこの島々の中で攫っているか、契約書を無視して屋敷の奥に閉じ込めている。

そして、ファスタバの女にファスラーザを産ませているはずだ。

食う為に・・・・

アスアッドでの実例を、アゴズが報告した内容からの推測だ。

反吐(へど)が出る。


キースが、先ず全島民の台帳を調べた。

行方不明の家族が居る。

入植して、間も無く居なくなったと言う情報。

家族を攫うなんて事は、昼間しか動けないドラーザには出来ない相談だ。

ファスタバ、ファスラーザの中に裏切り者がいる。

行方不明者は、女性と子供に絞っても30人程。

この八年ほどでと考えると少ない。

しかも、ここ三年はそういう届けが無い。

他に抜け道はないかと探す。


そして見つけた。

南東の小島。

無人島である筈の島影に、モリハン以外の船が入港している。

島と島との細い水路に、木々に隠れる様にして帆柱を倒せる船。

小型でそう荷は多く積めないが船脚は早そうだ。

帆の形状が違う。

その船が夜間に出港して二週間後。

最南端の島から監視を続けていると、こちらに向かってくる。

モリハンからなら、白い大きな帆を広げて大型船で来るのに、姿を見られない様に黒い帆をあげていた。


キースは、部下と共に監視を続ける。

陽が沈む間際。

ドラーザが、寝ぐらに戻る事を考える時間。

きっとドラーザが飛び立つ筈だ。

船が苦手なドラーザは屋敷に向かう。


予想通り3人のドラーザが飛び立った。

見覚えがある胸当て。

しかもコイツらは、それぞれの領主の元で島に暮らしている筈だ。

キースが管理する入出国管理室には来た事もない。

バイク家の家臣を先頭に、低空飛行で島影を急ぐ。

後ろの二人はフォース家の息子達。

この二人の妻達も、ドラウドに入国するなり子供を連れて義母 ベリアを頼って夫から逃げた。

ファスタバ喰いを嫌悪した結果だ。


予想した通りだ。

キースは、更に3人、3人と小型船から飛び上がったドラーザを双眼鏡で認めて悪態をつく。

「アイツら!」

先頭はリシャルの2人の兄。

もう1人は、緑の鎧の色から護衛なのだろう。

後に続く3人は、リシャルの甥にあたる兄の息子達。

学園を卒業して数年の筈だ。

彼らはモリハンに住んでいる。

そして、貴族でありながら護衛職を務めるギル家の当主。

どうやらモリハンから一旦他の国に旅行と偽って移動し、この島に密入国するようだ。

「手慣れていますね」

「島に置いたから、かえって目につかなくなってしまった。

フォースの息子達は、一度も出国した記録は無いはずだ」


入出国は、キースが管理する港で行うことになっている。

直接北の王都に入港できるのは限られた船だけだ。

その他の島に直接船を入れて入国すれば密入国。

ドラウドは、これを厳しく処罰する事にモリハンと法を定めていた。

【死刑】

連れて来て居たドラウドの家臣が青くなる。

あの、リシャルの兄達は死刑が確定した。

甥達もモリハン国民で王都に住んでいるはず。


この後、あの船の動向を掴む為に、ファスタバ達の兵士を島に潜ませているが・・・・リシャルも引責する事になりかねない。

東に舵を切って進む小型船。

デッキに貴族の姿が他にも見える。

リシャルの兄達の妻と子だ。

成人前の娘もいる。

どちらかの婚約者なのだろう。

成人前の子の処刑は様々だが、それでも軽くても鱗を抜く事になっていた。

「ドラウド一世に伝えます」

「そうしてくれ。軍を寄越す様に。

王太子妃リシャルの事は、ドラウド一世に任せよう」



フォース家の客間には、貴族の妻達と子供達が休んでいる。

夜になりファスタバが、代わりに港の様子を監視する。

もう、情報は出揃っていた。

リシャルの兄達は、王城の管理費をちょろまかす為に、小国のファスタバやファスラーザの商人と結託。

納入数の水増しや横流しを続けていた。

勿論、相手国の王族か貴族の後ろ盾があっての事。


今回は、間も無く学園に入学する子供の為に準備した宴。

表面上はそうだが、ジア王国からの新鮮な食材の入荷だ。

無駄には出来ない。

リシャルが言った様に、幼少の頃からファスタバを喰っていた。

リシャルは、自分もその肉を口にしてしまった事を後悔して、ロイヒの実家に逃げ込んだ。

そこで、ドラウナと引き合わされた。


ドラウドが先に手を打った。

ドラウド国で、特例としてリシャルを領主に格上げさせる。

事実婚状態であったリシャルを成人として認めた訳だ。

モリハン王に密入国の罪を報告。

モリハン王は国に残っている、リシャルの両親と兄達の貴族位と特権剥奪を公示。

兄達の留守中にもかかわらず、大捜索が行われて関係した商人と相手国家の貴族を捕縛にかかる。


ドラウド国で祝宴をあげる準備をしていたバイク家。

流石にバイク家では不味いので子飼いのフォース家が会場。

この屋敷はジアからの船を着けた無人島からも近く、攫って来たファスタバの子供と女を小舟で夜間に運び入れていた。

宴会は朝から行われる。

ドラーザの姿に皆代わり。

夜まで長々と、ファスタバを暴行して楽しみ、時には陵辱する。

そして肉を喰らう。

古き良き日のドラーザの宴。

その身に染みついた竜人としての、肉への欲求が呼び起こされる。


早朝。

ファスラーザの男が、屋敷の地下から鍾乳洞を利用した海と繋がる船着場へ向かう。

『宴の最後には、煮込み料理を』

と言われて居た。

牢に向かったが、どの檻も空になっていた。

ファスラーザの若い見張りと船員が、一番奥の牢に帆布に包まれて倒れて居た。


大声を上げようとした老人の首に剣が触れた。

黒いボディスーツを纏った姿。

実にセクシー。

「お嬢様!」

「あなた、まだこんな事をしていたのね?

摘み食いでファスタバの味を覚えたというのは、本当だったみたいね」

この年老いたコックは、幼少のリシャルにファスタバの肉を食わせた張本人。

最も、それを指示したのはリシャルの両親。

リシャルは自分に流れる血が、これ程憎いと思った事は無かった。

リシャルの影からファスラーザの者が現れて、コックに猿轡を噛ませて芋虫の様に縛り上げて牢に放り込んだ。

血の跡が残る牢。

まだ、三つも空いていて鉄の鎖がついた足枷が落ちている。

「待っていて。

みんな連れて来て、放り込んであげる。

私の両親や兄、そしてその家族もね。

もう、わかっているでしょ?

あなたも、入国記録にないわね」

初老の男は、何か叫び出したがリシャルは踵を返した。

「うるさい様なら、海にそのまま放り込んで。

どうせ行き先は一緒だから」

血の底から聞こえてくる様な冷たい声。

ファスラーザの部下が、震えながら頷いた。


「フォース家か・・・・・先生も逃げ出す訳ね」


先に海から潜入したリシャルとファスラーザ達。

あれ程海が苦手だったリシャルも、すっかり海にハマって居た。

今では、長時間水中を泳いで移動するほど。

ファスタバより肺が効率的なのだろう。

長時間の潜水が平気になっていた。

彼女に同行しているのは、武闘派であるドラウドの妻達が有する特殊部隊。

オルルトが図書館で読んだ、どこかの星の物語に登場している。


攫われていた成人女性4人と5、6歳のファスタバの子供達4人。

今は、別の島影にいるドラウドの新型船に匿われている。


船着場の船を調べて、快速化の為の帆と船内に水が入らないようにした構造を調べている。

島影の間を抜けるのに有効な小型船だが良い作りだ。

「アジャイさんが喜ぶわね」

隊員の一人が、船着場を離れる準備をしている。

水を掻き出す為のポンプまで付いていた。


別働隊として控える王太子ドラウナと父ドラウド王。

日が昇る頃から高台の林の中から屋敷を見下ろしていた。


庭には大きなテーブルと椅子が置かれている。

酒樽が並び、その横にはでかい握りが有るガラスのジョッキか置かれていく。

準備をしているのは、リシャルに付いた特殊部隊の者達だ。

屋敷内は制圧して、ファスタバやファスラーザは一箇所に閉じ込めた。

ドラーザは尻尾を切り落としている。

鱗を抜くのだから問題無い。

意識を飛ばして眠って貰っている。


「来ました」

双眼鏡でバイク家の領土で有る島の方角を監視していた戦士が報告する。

ドラーザの姿で飛んでくる一団。

先頭には、見覚えがある大型の竜人。

リシャルの兄達。

だがデカいだけ。

飛行するのも苦手な様だ。

キースが言うように、登城の間はファスタバの姿。

自宅で、竜人になって大食らいするから贅肉だらけ。

成人したフォース家をはじめとした貴族も混ざっているが、

貴族の妻も混ざっていて、早くも『ファスタバの肉を食いたい』と叫んでいた。

『島でダラけた生活をしている』

との報告通り腰の剣が重そうだ。

護衛も訓練をしてない。

ここドラウドでは、戦争の恐れがない。

ドラウドの兵が優秀なのと、アゴズが友好国に加わったせいもある。

ドラーザが攻めてこない事が分かりきっているのに、なんで訓練をする必要があるだろうか?

赤い顔をしているから、昨夜の酒が残っているのだろう。


「留守になった屋敷への突入は?」

「屋敷は手薄な様です。

みんな『ファスタバを食う』と言う言葉について来ています。

戦士、兵士8人も連れて来ていましたからね。

それでも屋敷の中にも、おそらく何人かいる様ですが、酒に潰れているとの報告がありました。

未だ飲んでいるんじゃ無いですか?」


「そうか、それじゃこっちも迎え撃つか?

兵士は面倒だ。

全員叩き落とせ!

挟み撃ちにして鱗を叩くか背中を狙え!」

ドラウナが、低空飛行に移った一行に襲い掛かろうとした時。

「ドラウナ、待て!あそこを見ろ」

ファスタバの女性の姿で、ワゴンからテーブルに分厚いハムやナルフトから運ばれたチーズがどんどん置かれていく。

「リシャルですね。

先にテーブルに、つまみや濃いめの酒を出しています。

最後の食事を与えるつもりの様ですね?」

「ファスタバのメイド衣装か? ドラウナの好みか?」

ニヤリとドラウナが笑みを返す。

もうじき挙式だが、もう一緒に暮らしている。


「寮監が用意してくれました。母さん達にも届けたそうですよ」

「全くあの方は・・・・・又、どこぞの星から持って来たのであろうな?」

リシャルが、屋敷に入って行こうとする。

その姿に、先頭を飛んでいるドラーザが吼える。

『俺の(とぎ)の相手をしろ!』

兄が妹に向って叫ぶ言葉では無い。

『私が手脚をもいで食べてあげるわ!』

母親が言うセリフでは無い。

旨そうに見えたのだろう。

実の妹、娘なのに見分けがつかない。

リシャルの肩が、一瞬震えた。

そして、軽く一瞥すると屋敷に消えた。

『俺が一番手だぞ!』

『兄者が言うなら仕方無い。だが、俺がハラワタを食う』

『私は、最初に右脚から食うわ!』

『みな気が早いな。ワシが楽しんでからにしろよ』

耳を塞ぎたくなる様な家族の会話。


「予測通りですね」

次々に、庭に降りて挨拶も無しに、大皿に盛られた鹿肉に塩を塗して鷲掴みで食い始める。

樽のワインにジョッキを突っ込んで、そこにキツイ酒を注ぎ込んで浴びるように飲む。

「昔は、あれが楽しかったが、こうして見ると醜いな」

「ですね」

「獣です」

兵士達も無礼講にした様だ。

剣を外して飲み始めた。

「昨夜も、飲んでいましたからね」

ドラウドに付くファスラーザの密偵が呆れかえる。

「よく金が・・・・・・モリハンの財政が改善しない訳だな」

「ジア王国も、今回ばかりは王弟と言えど厳罰にするそうです。

金貨の密造も疑われています。

ここの石炭の横流しも確定していますね。

アジャイ様やキース様の目を掻い潜った連中がいます。

そいつらは姿を隠した様です。

目敏い奴がいる様ですね?」

「どうせ、逃げるには南に向かうしか無いさ。

新型艦が東の海から回り込んできている。

逃げ出しても押し潰される」

ドラウナの双眼鏡には、噂の新型艦が沖に出てこちらに船首を回したのが見えた。

島から飛び出してくる獲物を狩る体勢に入っている。

そして船首に、紅い衣装を纏った人影が立っているのが見てとれた。

「母上・・・・・」


そんな光景を見ているとは、知らないドラウドが呟いた。

「頃合いかな?」

同時に、屋敷の中から貴族の家族が、縛られたまま庭に転がり出て来た。


追い立てているのはリシャル。

美しいピンクの(ころも)

胸元に輝く深い海の色の鱗に金の縁取り。

手にした二本の剣の柄の先端部分が丸く太い。

ここで、相手の眉間かコメカミを叩く。

瞬時に、かかって来たフォース家の護衛のコメカミを潰し、尻尾の根元を切り落とす。

怒鳴り声で双眼鏡を父に押し付けて、ドラウナが号令をかける。


「こりゃ、相当に怒っているぞ!

皆、リシャルの巻き添えを食うなよ!突貫!」

一斉に多くの兵が滑空して敵兵に襲いかかる。

手にしているのは、剣ではなく先端に丸い球がついた鉄の棒だ。

彼方此方で、恐ろしい音が聞こえる。

剣で受けても弾かれる。折れる。

金属で骨を砕く鈍い音がする。

悲鳴をあげるいとまもない。

倒れた兵士の胸元の鱗の下から、片手に持った剣を滑り込ませて心臓を突く。

兵達のほとんどが、逆らうこともなく殺された。


リシャルは逃げようとした2人の兄の尻尾を、千切れんばかりに痛烈に踏み潰した。

それでも逃げようと、兄達は羽ばたくが上手く飛べない。

たちまち、上空にいたドラウナに背中に回り込まれて叩き落とされる。

背中の急所を一撃されて動きを止められた兄達。

妻達は何もできずに抑え込まれた。

リシャルの両親が騒ぎ立てる。

「私は王家に繋がるバイク家の当主だぞ!無礼であろう!」

「リシャル!私たちが何をしたと言うの!」

「今のあなた達は、貴族でも当主でもありません。

バイク家は改易されて、このリシャルが当主になりました。

あなた達は全員犯罪人。

密入国は死罪です」

リシャルは、自分の家族だった者全てに指を刺し示した。

「私は、お前の兄だぞ!助命嘆願をしてくれ!」

「兄? 私には、その様な者はいません。

モリハンの王城に、貴方達の除名が張り出されました。

今頃、留守宅や関連した貴族・商人達は全員捕縛されています。

これが、今朝届いたその写しです。

多くの、貴族が連座で居なくなりますね?」

「何の権限があって!」

「権限?

ファスタバの肉を口にしてしまった事への謝罪です。

私は、この日を待っていました。

私に消える事が無い心の傷を与えたあなた達。

これからも、私は許す事はない。

貴方達の身柄はモリハンに送ります。

勿論、この島の住民である元バイク家の老人も、こちらの罪状証明を付けて送ります。

モリハン王が自ら裁かれます。

フォース家の、お二人はジア国で裁きたいとのジアの王命が有ります。

他の貴族は、この国で捌きます。

証言してくれる方が多くって、調書を取るのが大変でした。

言っておきますが、裏切り者のファスタバとファスラーザは全員捕らえてあります。

逃げ出そうとしているジアの船も、お母様がお尻を叩きます」


遠くから悲鳴が聞こえる。

メキメキという音に続いて、木造物が粉砕された音が聞こえる。

「な、なんの音だ!」


ドラウザが降りて来た。

「国王!」

「【新型艦マルード】が、逃げ出そうとした高速船を鋼鉄で固めた舳先で潰したよ。

マルード自ら舳先に立ち、ジアの快速船を潰す指揮をしていたよ。

軍船の紅い船長の衣装なんて着て、ファスタバの子供達と船首に立って騒いでた。

アレも、寮監の仕業だろう?

良い試運転になった」

「船に女性の名前を付ける文化があるとは学園で学びましたが、戦闘艦に母上の名前を付けるのは良いのですか?」

「マルードが一番喜んでいるよ。【ロイヒ】も建造中の3番艦に付けるよ」

「2番艦は?【オルルト】ですか?」

「あぁ、2番艦は少し小型の調査専用艦だ。水深測定や海図作成を主とする。

お前の施政の代になったら、【リシャル】を建造すれば良い。ピンクの帆を旗印にしろ!」


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