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覚醒
世界が生まれる前、とある存在が生まれた。その存在は世界の基礎となるものを周囲に放ち、そこからある一つの世界、「土壌世界」が生まれた。そうしてその土壌に様々なものが生まれ出ていく中でその存在は何も感じず、何も理解することなく佇むだけだった。そんな折、たまたまその存在は自身の近くにあった何の変哲もない一枚の茶色く枯れて落ちた葉を覗いてみた。そこから見えた光景はその存在に「感動」という感情を与えるのに十分なほど色鮮やかだった。そして感情と悟りを得たその存在は動き出した。枯れた葉を大事そうに抱えながら…