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revivalの現実・サバイバル編  作者: 鹿藤伸仁
17/19

No.17

No17 地下室隊長


「いよいよ本題だな。」


シンは修理した家に、ユゼ、ティア、ムーン、マリアンヌ達を集めていた。


4軒の家は、男女で2つずつ分けており今いる家は男の方の家だ。


本当は女の家に行きたかったが、ティアとマリアンヌから拒否された。


「ユゼの親父を助けにいこう。そのために、王都のどこにユゼの親父がいるか、どうやったらそこへ行けるかだが。ユゼ、どうなんだ?」


「........」


シンがユゼに問いかけてみても黙っている。


「待て待て......知らないのか?」


嫌な予感ほど的中するものだ。

ユゼは、申し訳なさそうに言う。


「知らない......です。すいません!」


謝られてもなぁ。マジかぁ。

ホントにこいつは頭悪いなぁ。


「どこにいるかもわからない人を助けようとしていたのか?それとも、知らなくても助け出せる場所なのか?」


思わず、強く言ってしまった。

しかし、シンは元々短気である。

少しイラっとしているとマリアンヌが静かに話始める。


「王都に入るには腕輪がいるの。その腕輪の種類によって入れる場所が制限されているし、しかも実験されてるというなら城の内部でしょうね。金の腕輪じゃないと城まで入れないわ。そもそも、自国を滅ぼした国になんの武器もなしで挑むのかしら?」


マリアンヌから言われて冷静になったシンは答える。


「武器はムーンに頼んでいる。」


頼んでいるが、まだ護身用レベルだ。

つまり、なるべく戦闘は避けてさっと助けたかったんだが......無理そうだ。


「まずは偵察しないと作戦もたてられねぇな。」


「それにあまり時間もないわ。」


マリアンヌの声に皆注目する。


「あなた達、見張りの兵士が12人も殺されてなんの調査もしないと思っているの?」


全然気にしてなかった......

とシンは回りを見ると他の3人も同じような顔をしていた。


シンはここに来てようやく気付く。

もしも親父さんを助けたら、最下層まで王国の兵士が来るんじゃないのか?

だとしたら今のままだとやべぇな......


「よし!地下を作ろう!」


「ちか?」


マリアンヌが聞いてくる。


もしかして、この世界の人は土の下に部屋を作る発想がないのか?

なら好都合なんだが。


シンは一応マリアンヌに地下について大まかに説明する。


「よくそんなこと思い付くわね。」


マリアンヌの反応を見る限り、よくある感じでは無さそうだ。


地下を作りつつ、王都の情報を集める。

また忙しくなりそうだなぁ。


シンは少しげんなりした顔でこの先のことを考えていた。


「ムーンよ、頼んでいたものは出来ているか?」


「一応できているけど......」


「見せてくれ。」


ムーンから見せてもらったのは、クナイのようなものだった。

鉄でできていて、中指くらいの大きさだ。


「思った通りのものだ!ありがとう!」


「こんなん何に使うの?」


ムーンは疑問に思いながら作ってくれたようだ。


「ユゼに使ってもらうんだよ。石の変わりにな。」


「あ!そうゆうことか!」


ムーンに作ってもらった物は、最初はトイレの穴堀に使うつもりで頼んでいた。


穴を掘るときに岩なんて出てきたらスコップでは無理だ。

家の下に地下室を作るなんて尚更だ。


家が建っている地面が柔らかいなんて話はないだろう。


「ユゼ!これを持っておいてくれ!」


ティアとイチャイチャ話しているユゼにムーンが作ってくれた物を渡す。


「なんですかこれ?」


「地下室を作るときに、穴を掘るだろ?スコップで掘れないときにこいつをユゼの能力で発射してほしい。狩りのときの石の要領だ。」


「わかりました!」


「地下室は家の住人が隠れられる位の大きさでいい。深さは2~3㍍だな。穴の壁には風呂の時に使ったコンクリートを使ってくれ。人員の選抜はユゼに任せる。お前が隊長だ。」


「俺がですか?」


不安そうなユゼにシンは続ける。


「ユゼの成長につなげたい。

失敗してもいい。

それは周りから見た失敗であって、

お前にとっては成功に繋がる経験になる。だから大丈夫だ。」


「わかりました!やってみせます!」


ユゼは気合いが入ったようだ。


どうも親父さんと自分を比べる癖がついているからなぁ。

こういう経験を積み重ねてユゼにも自信をつけさせたい。


「何かあったら呼んでくれ。俺は偵察の方にいく。」


「一人でですか!?」


「ただの偵察だ。無理はしない。それに俺は影に入れるからな。見つかる可能性は低いだろう。」


「......あ!そうでしたね!」


一瞬頭上に?が浮かんでいた地下室隊長だったが思い出してくれたようだ。


衣食住のことで自分の能力を全く使わなかったシンである。


皆の前では使わなかったが、自分になにができるか把握するために夜中にこっそり試していた。


夜は影も多い。シンにとって最高の時間だ。


「さて!行動開始だ!」


ユゼ達は地下室作成へ。シンは王都に向かった。


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