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ひとくちサイズの小説  作者: 島吉里実
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無敵の盾

「貴殿にこの盾を授けよう」

 どんな攻撃も通さない盾。これはとある山から出土した鉱物によって作られた。水晶が集まって形作られており、刃物どころか矢や炎も跳ね除ける硬度を擁していた。その鉱物は出土した時からU字状――盾にもってこいの形状をしていたため、王は武器職人に依頼し、盾として作り変えると国で最も勇敢な兵士に授けた。

 兵士は王に報いるべくその盾を持って出陣した。敵味方入り乱れた乱戦の中、盾は伝説通りの働きをした。王の軍勢は瞬く間に優勢となり、敵の本陣へ突入した。そこで待ち構えていたのは剛腕で名を轟かせる敵武将であった。敵武将は兵士の姿を見つけるや否や、自慢の腕から苛烈な一刀を放った。兵士はそれを盾で受け止める。衝撃で痺れるような痛みが走るが、盾に傷は付かない。

 敵武将は刀を再び振り上げた。兵士は盾をかざし、二撃目に備える。その時だった。盾が滑るように地面に落下していった。兵士は丸裸となった。


城に籠っていた王は武器職人にあることを尋ねる。

「あの盾はどのような刃物も通さないらしいが、持ち手はどのように取り付けた?」

「ネジも通さないので持ち手は瀝青アスファルトという接着剤で接着しております」


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