エピローグ
寒風吹きすさぶ十二月。
粉雪が舞い散る中、四つの影が何度も交差し、火花を散らせていた。
辺りに他の人間はいない。極光に封じられた空間。
四つの影、うち二つは千本北大路六角と綺堂晶。二人とも体中傷だらけで血を流し、肩で息をしている。
「くそっ! 攻撃が多すぎて吸収が追いつかない……!」
「動きをとめるなアキラ! 的にされるぞっ!」
対する二つの影、一つはシレン衆勝虎級、海のツィレード。もう一つは、見た目こそフランス人形のような少女だが、中身は人の生死をゲームと称し弄ぶ、シレン衆勝虎級、空のクルガン・アラバステル。
『さぁ、死になさい。美しくね』
『放力とはにわかには信じがたかったが、凡夫に使いこなせるものではない。散るがいい』
クルガン・アラバステルが風を自在に操り、二人の一瞬前にいた場所を真空の刃で薙ぎ、シュレッダーのように範囲内全てを切り裂く。それによって逃げ道を限定させ、ツィレードがその逃げ道に渦を仕掛ける。それを基本戦術とし、水流の斬撃や、稲妻を織り交ぜ、攻め立てる。一方、六角と綺堂は、強大な力を持つ二人の勝虎級に対し追い詰められていく。
そして遂には渦に囲まれてしまう。そこにクルガン・アラバステルが雷撃を放つ。
それが二人に当たる刹那――
雷撃も渦も、それを取り囲むようにオーロラが展開、別の縛鎖空間に放逐された。
そして現れた一人のヒーロー。誰だ? 俺だ。
「よう。やっぱり俺がいないと駄目みたいだな」
にっこりスマイル。綺堂は何が何だかわからず、六角は驚きのあまり、二人とも理由は違うが仲良く口をパクパクさせていた。
「おま、お前は……」
「ソウタ!!」
「お楽しみは……これからだぜ!」




