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無理やり主人公  作者: がっかり亭
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主人公

 誰でもみんな一度は漫画の主人公になりたいと思った事があるんじゃないか?

 俺は「常に」考えている。現実と妄想の区別がついてるとかついてないとかどうでもいい。

 仮面ライダーごっこでショッカーの戦闘員ばかりやらされて育った幼少時代……チャンスがあればライダーになろうと虎視眈々と狙う内に、どいつもこいつも『卒業』とかぬかしやがって、俺は「イーッ」しか言ってないのにライダーごっこ終了。

 今、当時ライダーをやってたやつらは、『戦闘員』のことを『ショッカー』だと思うほどの一般人に成り下がってしまったが、俺は忘れん! チャンスさえあればヒーロー、つまり主人公になる。絶対に、だ。

 だから、いつこういう事が起きても、対処できるよう心の準備はしてきた。

 そして、自分が脇役でしかないであろうことも承知の上だ。複雑な家庭環境とか、悲惨な過去とかないしな。

 主人公と言えば、中高生くらいで一人暮らしとか、実は父が魔王とか、血の繋がらない可愛い妹がいる、などなど……。それにひきかえ、俺の父は普通の会社員だし母は普通の主婦だしメタボリック症候群ぎみの弟がいるだけだし。

 俺が主人公になるには、本来の主人公を見つけ出し、強引にでも成り代わるしかねえじゃねえかよう!

 というわけで、そいつが物語に関わるより先に見つけ出さねば。どこだ、どこにいる?

「シャギャー!」

 と、そうこうしてる内に子どものほうを怪物が顔を向けた。子どもは恐怖のあまり泣きじゃくって動けない。

 怪物は大きく口を開きながら、もぞもぞ近づいてゆく。

 食う気だろう。

 まだ主人公らしき少年は見つからないが、流石にそんなこと言ってる場合じゃない。

 これでも正義感は強いほうなんだ。子ども番組ばっかり見てるからな。

「すぅ……」

 息を吸い込み一気に駆け出す。

 怪物のほうに走っていると、反対側からも走ってくる奴がいた。

 学生服を着た少年だ。パッと見、気弱な感じがするが、いざという時はやるタイプなのだろう。

 主人公に違いない!

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