3話 ステータス
文字少な目
「では、勇者様方お部屋に案内します」
そう言って案内しだしたのは、騎士団長と思われる、紋章をじゃらじゃら着けた騎士。髪や瞳、声は全く解らん。顔だけ兜を被っている。他の騎士も兜を被っていた。こんな風習無かったが。
俺達の前に5人、後ろに5人、左右にも5人づつの計20人に囲まれ、案内(連行のようだ)されている。
「お部屋の方なのですが、4部屋しか御座いませんので本日は部屋分けをお願いいたします。明日以降1人部屋になります。なにぶん16人も勇者様方がいらっしゃるとは思いもよらず」
「質問良いでしょうか? 勇者召喚というのは何人位呼ばれるのですか?」
「その位でしたら。普通でしたら、1~4人ほど。昔、召喚が盛んだったころ、10人と言う記録が残っています。ですので今回勇者様が16名も要らして驚きです」
会長の質問に答える騎士団長。
そうして騎士達に護送された先は家があった。
形は、日本のどこかにあるだろう2階建ての家だ。しっかりした扉に、鉄の棒が填まった小さな窓。
……どう考えても、閉じ込める気がひしひしと伝わって来る。部屋に案内するって言ってたよな。
「こちらが、勇者様方がお泊まりになる部屋がある棟になります」
そうして示されたのは、さっきから見ている家だった。
「部屋って言ってませんでしたか?」
「こちらの棟の部屋をご自由にお使い下さい。こちらは前回来られた勇者様の考えで、作られました」
「!? その勇者の人に会えませんか?」
「勇者様は、帰られたと陛下から聞き及んでおります。その辺りは明日、陛下に直接お聞き下さい。さあ、どうぞ」
「ありがとうございます。皆入ろう」
会長と騎士団長の会話が終わって、家に入る。会話は会長に任せておいて大丈夫だ。必要な時に口を出せば良い。
しかし帰ったとは、送還魔法完成したのだろうか。それとも、昔勇者が言っていた様に魔族か、魔族王が知っていると言われるのだろうか。
「あれ、見られてる感じが無くなった」
「それ、私も感じた」
「僕もです。でも聞かれてる感じはします」
安土、小低、鴻の順に感じた事を喋る。さっきまでは観察スキルで、見張られていた。今度は、聞き耳系スキルだろう。
いつまでも、ここに居ても仕方がない。知らない場所に来たら、最初に情報を手にいれないといけない。
「俺は感じないが、何かあるのか? 橋立はどう思う」
「そうですね、俺は特に。まず部屋を見てくるのはどうでしょう」
「そうだな」
俺と会長の話しがまとまると、家の中を皆で見て回った。16人で移動したので手狭だったが、間取りは解った。
1階は、玄関を入って直ぐ、右側に階段、左側にトイレが向かい合わせにあり、その2mほど先に向かい合わせに2部屋16畳づつあり、更に3m先に向かって右側に洗面所にお風呂があり、その向かい側にリビングがあった。リビングは20畳程の広い空間だった。
2階には、階段を上がった先に向かい合わせに、これまた16畳の部屋が2部屋あった。
そして、リビングに戻り話し会うことにする。
「さて、皆が考えているのは帰るか、だな。ラノベ何かの異世界召喚物は帰れない事が大体だ。そこを明日聞こうと思う。ところで、橋立何を警戒している? お前普段は『俺』なのに、警戒してると『自分』だからな」
どうやら会長は気付いたようだ。皆も頷いている。
こちらの連中に聞かれたくないので、スマホを取り出す。電波は全く来ていないが、なぜか充電中になっている。
メモ機能を使って文章を、打っていく。
【聞かれてるなら、スマホに打とう。いいか?】
皆を見ると、頷きスマホを取り出す。
【まず、会長の言っていた件ですが、召喚とは誘拐だと思います。また、王は何か嘘を着いていた】
【確かに誘拐だな。何嘘ついていたか解るか?】
【解りません。これからどうしますか?】
【まずは、少しでも情報が必要だな。ステータス、スキルを発表するのはどうだろう? まずは俺から】
会長は、そう言ってスマフォに打ち出す。
【蛟 和貴
Lv1
HP340
MP255
筋力90
俊敏105
器用100
耐久80
知力120
運85
スキル 剣術Lv1 肉体強化Lv1 火魔法Lv1 光魔法Lv1 指揮Lv1 橋立次頼む】
【橋立 勇希
Lv1
HP400
MP300
筋力100
俊敏100
器用100
耐久100
知力100
運100
スキル 剣術Lv1 肉体強化Lv1 雷魔法Lv1 光魔法Lv1 治療魔法Lv1 安土からまた、出席番号順で打ってくれ】
【安土 加菜
Lv1
HP340
MP255
筋力80
俊敏110
器用100
耐久90
知力120
運70
スキル 剣術Lv1 ダッシュLv1 肉体強化Lv1 察知Lv1 隠密Lv1】
【泉 結穂
Lv1
HP280
MP210
筋力70
俊敏80
器用70
耐久70
知力130
運80
スキル 治療魔法Lv1 筆記Lv1 マップ制作Lv1 調薬Lv1 工作Lv1】
【鴻 勾
Lv1
HP320
MP240
筋力80
俊敏80
器用90
耐久80
知力140
運80
スキル 土魔法Lv1 木魔法Lv1 解読Lv1 速読Lv1 察知Lv1】
【筧 松吉
Lv1
HP350
MP263
筋力85
俊敏95
器用100
耐久90
知力105
運75
スキル 反射Lv1】
【久内 克臣
Lv1
HP390
MP293
筋力95
俊敏85
器用110
耐久100
知力100
運75
スキル 水魔法Lv1 治療魔法Lv1 調薬Lv1 料理Lv1 裁縫Lv1】
【小低 千弦
Lv1
HP300
MP225
筋力80
俊敏100
器用120
耐久70
知力90
運90
スキル 剣術Lv1 弓術Lv1 肉体強化Lv1 遠目Lv1 察知Lv1】
【幸川 刀士
Lv1
HP520
MP390
筋力130
俊敏70
器用70
耐久130
知力80
運70
スキル 投げLv1 受けLv1 盾術Lv1 ダッシュLv1 肉体強化Lv1】
【守堂 チカ
Lv1
HP400
MP300
筋力100
俊敏90
器用90
耐久100
知力100
運70
スキル 槌術Lv1 盾術Lv1 肉体強化Lv1 光魔法Lv1 治療魔法Lv1】
【千樹 伊吹
Lv1
HP260
MP195
筋力65
俊敏100
器用90
耐久65
知力130
運100
スキル 火魔法Lv1 水魔法Lv1 光魔法Lv1 治療魔法Lv1 魅了Lv1】
【竪林 集
Lv1
HP320
MP240
筋力80
俊敏90
器用80
耐久80
知力140
運80
スキル 木魔法Lv1 雷魔法Lv1 治療魔法Lv1 筆記Lv1 仕訳Lv1】
【近綱 享
Lv1
HP360
MP270
筋力90
俊敏70
器用120
耐久90
知力100
運80
スキル 治療魔法Lv1 魔法陣Lv1 式魔法Lv1 調薬Lv1 筆記Lv1】
【津島 由那
Lv1
HP380
MP285
筋力70
俊敏80
器用110
耐久90
知力120
運80
スキル 集中Lv1 速読Lv1 マップ制作Lv1 罠発見Lv1 罠解除Lv1】
【七地 代里
Lv1
HP330
MP248
筋力85
俊敏85
器用100
耐久80
知力100
運100
スキル 火魔法Lv1 調薬Lv1 指揮Lv1 宝発見Lv1 マーキングLv1】
【松風 修
Lv1
HP260
MP195
筋力70
俊敏90
器用110
耐久60
知力110
運110
スキル 剣術Lv1 風魔法Lv1 氷魔法Lv1 思考加速Lv1 レーダーLv1】
地球に転生して良かった事は、知識率の高さだろう。その為様々な知識があった。この世界は四則演算が良いところだ。
【HPは体力、MPは魔力だよな?】
【或いはヒットポイント、マジックポイントじゃない。言い方が違うだけで、意味は一緒だけど】
幸川の質問に由那が答える。
流石に本を、沢山読んでるだけはある。それで正解だ。
【HPは(筋力+耐久)×2で、MPはHPの75%か】
【【【【【【【【【【【【【【【!?】】】】】】】】】】】】】】】
【て事は、魔法使うのに筋力と耐久が必要って事か~】
俺のHP、MPの法則性に、皆が驚いた後、立ち直った千樹が呟く様に打つ。
ここまでどうでしたでしょうか?
打つのに指が釣りそうです……
3/20 修正しました。