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1話 召喚

短いです。

 真っ白な空間に16人の人間が出現すると、その空間は仄かに発光しだした。



「此処は?」


 全員が言ったのか、はたまた数人が言ったのか、もしかしたら心が紡いだ言葉かもしれない。

 俺はこの空間に覚えがあった。勇者に聞き、16年いや17年前に来た場所だ。この空間は―――


「は、狭間の間?」


 俺が思い描いた空間の名前を由那が言葉に出した。一瞬自分が言ったのかと思った。


「津島ここを知っているのか?」


「いいえ、知りません。でも此処が何処だろう?って思ったら視界の一部に〈狭間の間〉って字が出たんです」


「? 俺には何も見えないな」


 会長の質問に由那が答え、また会長が喋る。そんな事より重要な事は。


(何らかのスキルが働いているか? だとすると《ステータス》‼)




ステータス

橋立 勇希

Lv 1

HP 4000

MP 3000

筋力 1000

俊敏 1000

器用 1000

耐久 1000

知力 1000

運 1000


称号 ・一騎当千・殺戮者・魔族王・迷宮突破者・限界者・勇者の 友・奴隷解放者・転生者・勇者の卵・限界突破


スキル

格闘術Lv1

剣術Lv1

槍術Lv1

弓術Lv1

投擲Lv1

……中略……

隠蔽Lv1

……etc.etc……


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 ステータスが出るという事は、アードに向かっているって事か。

称号からすると勇者召喚。勇者召喚は当時の勇者と封印した。

何らかの方法で復活させたのか。

 ステータスの能力値は999が最高だった。限界突破の称号が着いて上限が上がったようだ。最大値を見極める必要がある。召喚先にどんな相手か分からないが、鑑定系のスキル持ちが居ると厄介だから隠蔽しておくか。勇者が能力値は100前後、スキルは5個と言っていたしな。


 よし。《ステータス》



ステータス

橋立 勇希

Lv 1

HP 400

MP 300

筋力 100

俊敏 100

器用 100

耐久 100

知力 100

運 100


称号・勇者の卵


スキル

剣術Lv1

肉体強化Lv1

雷魔法Lv1

光魔法Lv1

治療魔法Lv1


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 これで良いだろ。

 空間の発光が増した。


「また光が」


「今度は何!?」


「っく!」


 一瞬の閃光の後、深紅の絨毯の敷かれた大理石の広間に召喚されていた。




「此処は……」


「勇者よ! 良く来てくれた‼」


「「「は?」」」


 声のした先には、護衛と思われる騎手に守られた一組の男女。恐らく親子だろう。金髪碧眼の男性と女性がいた。



「勇猛なる勇者達よ、此度は我らの召喚に良く答えてくれた」


「あの?此処は。それに、貴方は何方ですか?」


「ウム、今回の勇者は多少礼儀がなっているな。良く聞け。この広間は謁見の間である。そして余は偉大なる人族の王。人族王アルバート・ロデウ・シュッピマーセルである!」


 金髪碧眼の中肉中背の男=人族王だったようだ。いや、誰でも気付くだろう。何せ何段も高い段上に金と宝石、赤いビロードで造られた下品な椅子に座って騎手に守られているのだ。分からない者はいない。



「由那、間違いないか?」


 小声で聞くと由那が無言で頷く。会長や他の皆もこちらを見て頷いている。混乱しているだろうに流石と言える。少しでも情報を集める為にも質問する。


「そちらの方々は?」


「おお。良い忘れておったな。こやつは余の娘、第二王女のメリーシア・ロデウ・シュッピマーセル。あやつらは王国騎手である」


 やはり親子たった。人族王の視線が王女と騎手の中でも多くの勲章を着けた男に一瞬移ると甘い声が囁きだす。


「勇者様方、是非ステータスを教えて頂けませんか?」


「ステータスがある世界。どう考えても異世界召喚ってやつか……ブツブツ」


「教えて頂けませんでしょうか?」


 皆が状況を模索している所を、思考を中断させるかの様に王女が話しかけて来る。目はキラキラ、ではなくギラギラしと手は豊満な胸の下で組まれている。


「ああ。勇者様方の世界にはステータスがない事が多いと聞いた事があるのですが、ああ、なんて不便な。この世界では誰にでもできる神が与えてくれた能力です。ステータスと思って下さい」


 よよよ。と、片手で顔を隠し、目を潤ませる。


 演技力あるが下手だなぁ。目薬なしで目を潤ませるのは上手いが、行動が一々大き過ぎるし、目がギラギラし過ぎだ。目は口ほどに物を言うって知らないのか。いや地球の諺だったな。

 外見年齢からいくと王女サマは、今の俺の1、2歳上位だろう。海千山千の王宮暮らしの割に演技が下手だ。これでは腹黒狸じゃなくても演技である事がまるわかりなのだが。

 チラリとだけ皆を見ると、脳筋と言われる事のある幸川(サチカワ)ですら半眼になっている。


「ステータスと思えば良いのですか?」


「はい」


 2歩踏み出した会長が話すと、王女が答える。

 こちらに向き直った会長が人差し指を唇の前に持ってくる。


「皆、ステータスと思ってくれ」


 恐らく、本当の事を言うな。という事だろう。

 皆が、頷き会う。


―――《ステータス》―――




「勇者様方、ステータスは見れましたか? 教えて下さいませ。それに寄り訓練を変えますので」


「訓練と言う事は何かと戦うという事ですか?」


 確認だけで済ませた俺が代表で質問をする。


「大事な事を言い忘れておったな。ウム、人間は今、亜人種、魔族と戦争中でな、特に魔族とは60年前から戦闘が過激になっておる。少し歴史の話しになるが。300年以上前勇者召喚が今の様に盛んだった頃、最後の勇者が魔族王に誑かされて負けが込み、奴隷のほとんどが捕まるか殺されてしまったのだ。その時勇者召喚の魔法が無くなってしまい、60年前にやっとの事勇者召喚ができる様になり、今回呼ばせてもらったのだ。奴隷と言えど人間だ! それも弱い者から捕まえ、殺すとはなん足る非道か! 命とは尊い物だそれを魔族は殺すのだ! 許しておけるものか‼」


 王サマはギリッと肘掛け部分を握り締める。

 おいおい。王女様と違い、看破と観察のスキルなかったら俺でも騙されたぞ。何とかしないと皆本当の事言ってしまうな。


「ステータスですが自分からで良いでしょうか?」


「是非、教えて下さいませ」

修正 スキル追加


3/20 修正しました。

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