表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/5

プロローグ

初投稿です。

稚拙な所が多々あると思いますが、誤字脱字等御座いましたら教えて戴けると幸いです。

感想等もお待ちしています。


 

 桜の花が散り葉が青々とした5月の初日の朝、ゴールデンウィーク真っ只中というのにブレザーの学生服を着た180cm近くある長身の男子生徒が、足早に歩いて行く。髪は何処から見ても100%アジア人と分かる黒い色をしていて、短くも長くもない。年長者なら「今時染めていないなんて珍しい」と言われるだろう。身体もしっかりと筋肉が着いていて健康的だ。ただ顔だけが日本人にしては堀が深く、かなりハンサムだ。モデルなどをしていても驚きはしない。



 地球の日本に産まれて、16年と数ヶ月たった5月1日。俺は1年以上通い慣れた通学路の半分以上を歩きながら、ふと昔の事を思い出していた。


 生まれる前の記憶、生前の記憶があると言ったら「中二病か!?」と言われるのが落ちだろう。だか、生前の俺には転生というのは珍しくはあるが無いわけではなかった。歴史に名を刻む者の1/4は転生者たったからだ。転生者には称号に【転生者】と刻まれているので、簡単に分かる。もちろん生前の記憶もありスキルも初期に戻るとはいえ一部引き継がれるから周りに聴かれる前に自分で気づけるのだが。

 俺も転生して「ああ、転生したのか」と、思ったが、ステータスと念じてもステータスが見えなかった時は驚いたものだ。

その内聞きなれない言葉が勇者から習った地球の『日本語』だと気づいた時はさらに驚愕した。それからは知識を溜め込むのに忙しく、長々人付き合いしてこなかったのは少々後悔している。

 生前俺は、アードという世界の魔族王だった。分かりやすく『魔王』という役職に就いていた。

良くある転生物の小説のようだ。普通は、日本から異世界に転生するのだろうが、反対だが。

 今、周りに言ったら完全に中二病扱いだろう。



 通学路も残りわずか、この急斜面を登り曲がれば通い慣れた〈私立布楼(フロウ)高校〉の校門が見えて来る。

校門に着けば、何時もなら空いてる校門が締まり、警備員がいない。締まっている校門を開けると身体を滑り込ませる。

 一度、2年A組の教室にある自分机に鞄を置くと、休みの今日学校に来る事になった根源(生徒会長)に合うべく生徒会室に向かった。


 コンコンと生徒会室をノックするとすると、直ぐに「誰だ」と声が聞こえた。


「2年A組の橋立(ハシタテ) 勇希(ユウキ)です。入って良いでしょうか?」


「空いてる。入ってくれ」


「失礼します」


 扉を開けるとまだ新しい生徒会の備品が目に入り、同時に心地良い圧迫感がする。布楼高校はまだ若い高校ながら文武に秀でた才のある生徒が多い。推薦で多くの生徒を入れてるため一般枠が少なく感じる。その為倍率が上がり、この少子化の時代に珍しく一般入試の倍率は高い。そんな布楼高校の生徒達の頂点にいるのが生徒会だ。

 そんな生徒会には多くのトロフィーと旗が飾られている。

 奥へ目を向ける間に妙に多くの生徒が目に入る。その中の一人に目が行った時、ついつい声が出てしまった。


「由那、何でお前がここに居るんだ?」


「会長に呼ばれたからよ」


「そうだ、俺が呼んだからだよ。他の皆も事情を話したら進んで集まってくれた」


 俺の呟きに対しすかさず返答してきた少女は、俺の家の隣に住む同じ年の津島(ツシマ) 由那(ユナ)だ。身長体重とも見た目は平均的だが、胸は良く育っているメガネ娘だ。家族と俺以外には当たり障りない会話しかしないが、俺には良く喋る。俺に対して恋愛感情がある訳ではなく、隣に住むお兄さん的存在だろう。由那の彼氏は小説だ。だからといってオタクと言う訳ではない。確かにラノベ大好きだが、推理小説や歴史小説も良く読んでいる。

 テスト期間中も平均1冊ほど読んでいるのだから、どれだけ好きか分かるだろう。しかしテスト順位は上位なのだ。集中力が凄い。そして今まで読書で培った速読能力で勉強するので、短時間で終わる。

 生徒会長の皆と言う部分に注意しなくても、生徒会室に人が多い。生徒会室は広いのに今は狭く感じる。人口密度が多い。生徒会室を見回すと俺を入れて16人居る。多すぎないか?それより。


「会長以外クラスメイトしか居ませんが」


「クラス替えしてから1ヵ月経っているから、他の共通点も分かると思うが」


「委員会所属メンバーですか、数名居ない様ですが」


 会長は少し長くなってしまった髪を結んで、眼鏡を直す。

 会長は何を考えて、この人数を集めたのか……。俺が呼ばれた案件だろう。


「居ない者は、用事があって来れないか、風邪だ。来れない者は皆、申し訳ないと言っていたよ。橋立は人気があるな。2Aは結束力高いから今回呼んだのだが」


 結束力といえば会長を中心とした3年の方が上だ。3年は、1、2年と違い学年の人数が少ない。その分結束力が強い。4月にあった学年別大縄跳びも1000回を越える回数を飛び、歴代1位だ。

 確かに2Aは2年の中では結束力が強いが、3年には負ける。


「今回自分が呼ばれたのは、時期生徒会選挙の事で良いでしょうか」


「いや、違う」


「?」


 生徒会選挙じゃなかったら何で呼ばれたんだ?


「橋立、生徒会選挙ではない」


「橋立君、生徒会選挙ではなく会長選挙の事で呼ばれたんだ」


「は?」


「ふふ、橋立さんの虚を着かれた顔というのは珍しいわね。それだけで来たかいがあったというものね」


 会長の後に、学級委員長の竪林(タテバヤシ) (シュウ)と保険副委員長の七地(ナナチ) 代里(ヨリ)が続く。竪林は簡単に言うとガリ勉眼鏡だ。勉強だけしかできない青白い訳ではないが、少々頭が固い。

 七地は、とある会社の社長令嬢で2A女子のお姉様的存在だ。


「何回も打診している様に、お前には時期生徒会長をしてもらいたい」


「自分も会長になる気はないとお答えして来ましたが」


「フム、何故生徒会長になりたくないんだ?」


「ですから会長になる……! ……これは‼」


「なんだ!?」


 返答している最中に生徒会室が青白く輝き出す。床には金色で魔法陣が輝いている。


(この魔法陣はアードの人族の使う召喚系の魔法か!?異世界召喚は勇者と一緒に封印したはずだ)


「っ! 皆集まれ。何が起きるか分からん!」


 会長の言葉で少し落ち着いたのか、頷きながら全員会長の本に集まった。


 生徒会室が金色に輝いた瞬間、布楼高校から16人の生徒が消えた。

プロローグ最後まで読んで頂きありがとうございます。


3/20 修正しました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ