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『ページの破れた辞書』
どこを探しても嘘ばかり。
どこを引いても嘘ばかり。
本当の事なんて、ほとんど書かれちゃいない。
みんな本当だと思って、嘘であると疑いもしない。
みんな嘘を見てるくせ、本当だと信じきっている。
これじゃあ何が嘘で、何が本当なのか分からないじゃないか。
ヒトっていうのは愚かなもんだよ。
あぁ。愚かなもんさ。
本気で嘘は存在しないと思ってるんだからなぁ。
じゃあ今この状況はどうなんだ。
世界が終わろうとしているよ。
え? 何?
こんなの嘘?
夢を見てるだけ?
何を言ってるんだ。嘘は存在しないんじゃなかったのか。
よく目を凝らしてみなよ。これは全部本当なんだ。
それでも嘘だって言い張るんだ。
だからヒトって愚かなんだよ。
さすがに今なら分かるだろう?
是非辞書を引いてみるといい。
そこに書いてあることが、本当ではなく嘘だってわかるはずだ。
それじゃ、最期に残った時間。
この辞書から嘘を切り取って、本当がいくつ残るのか試してみるといい。
まぁやらなくても答えは既にでているよ。
答えは一つ。
その言葉は――
【終わり】
連続している物事の、
もうこれから先が無いと いう状態。