「オレの存在忘れられてねぇ?」
「あー…色んな意味で疲れた。」
入学式が終わった琢磨は、机に屈ぷす。
「お疲れ様、たっくん。」
「お疲れだな~。」
そこに二人が集まった。
賑わう室内。
ここは、翁桐楼学園高等学部の教室・一年AS組。
特別科、最高クラスである。
本当は、S組とA組に分かれる所なのだが、S組の人数が毎年少なく、次に人数の少ないA組と合併するため、AS組と呼ばれるのだ。
因みに、今年の一年生でのS級の称号を与えられたのは、琢磨、椿、そして吹雪だけであった。
此処で説明を入れておいた方が良いだろう。
翁桐楼学園高等学部では、その【能力】に応じた組に振り分けられる。
【能力】・・・、
それは、少し昔までは非現実的だと思われていた【魔法】と似たようなものであり、この能力が発見されてから数百年経った今でも、限られた人間しか授けられないとされているモノである。
まあ大きく考えれば魔法といっても差し支えないが、一人につき能力は一つと決まっているため、火を操るものなら火のみ、水を操るものなら水のみ、という事になる。
…とまあ、少し分かり辛いかもしれないが、その能力が使える者が与えられるのがS組の称号で、能力使い予備軍がA組、それ以降の予備軍がB、C、D…と続いてゆく。
そして最低ランクといわれるのが、Z組…通称・落ちこぼれ組。
基本的に生まれつきというものが多いのだが、ある日突然、能力に覚醒する事がある者もいる。
能力者になりたい…そんな思いから、この翁桐楼学園に人々が集まるのである。
勿論、それ以外にも理由があるのだが。
長くなったが、コレで三人の凄さが少しでも分かっていただけただろうか?
「そういや、椿ちゃん。」
ふと何かを思い出したかのように尋ねる琢磨。
「なあに?」
「アイツらは?」
「あー……二人とも寝坊。」
「そっか…。相変わらずだな。」
苦笑する二人。
「蓮兄は遊び疲れてて、秋兄は相変わらず機械に夢中で徹夜してたみたい。」
「ま、もう直来るんじゃねぇの?シスコンの方は……ほら、来た。」
吹雪が言いきらぬ内に、凄まじい足音が校舎に響いていた。
ドドドドドドドドドド…
だんだんと近づいて来る足音|(?)
心なしか、雄叫びの様なモノも聞こえてきた。
「つぅぅーーーばぁーーーきぃーーーちゃあああああんっ!!!!」
「来たぁ…。」
げんなり。
と、言いたげな顔をした椿。
その騒音の元は、教室の前で止まると、中に入ってきた。
「椿ちゃ……ぐぼほっ!!?」
間髪いれずに吹雪が飛び蹴りを喰らわす
そのまま吹き飛ばされて転がって、教室の前の廊下の壁にぶつかり停止する椿のストーカー……もとい、蓮。
「なにするんだっ!この悪い虫!!」
「え、何?もう一発くらっとく?」
「……すんません。」
直ぐに復活した蓮は、飛び蹴りを喰らわしてきた吹雪に対して喧嘩を売るが、その威圧的なオーラに負けてしょげた。
「もー、恥ずかしいからやめてよねっ蓮兄!」
「椿ちゃんっ!」
しかし、椿をみた瞬間に破顔するのは正直見ていてうっとおしい、と琢磨は思った。
椿が呼んでいる様に、蓮は椿の兄である。
側上蓮…椿の三つ子の一番上である。
そして、先ほど椿に秋兄と呼ばれた人物が、三つ子の二番目・側上秋桜である。
「蓮兄、秋兄は?」
「さー?起きたら椿ちゃんが寮に居なかったから走って来ちゃってさあ~。」
蓮はこの通り、椿LOVE!である。
椿に抱きつきながら(椿はそんな蓮を引きはがそうとしながら)話す。
「とりあえず、いっぺん宇宙の塵と消えとく?このシスコンが。」
「すみませんでした。」
とまあ、こんな馬鹿らしいやり取りをするのが、俺達の中学からのやり取りだったりする。
……平和だなぁ。
東条院琢磨、今日も平和に過ごしてます。
【そういえば…、】
(俺の存在忘れられてねぇ?)
(ぎゃああああ!!)
(待て、このシスコン!)
(いっけぇ!吹雪ぃーー!!)
(……ぐすん。)
あい、こななちは。
出てきました、新キャラ。
名前:側上蓮
性別:男
誕生日:11月27日
血液型:B
身長:174cm
体重:61kg
毒舌家で容赦がない。しかし、椿と吹雪には弱い。
スポーツが好きなアウトドア派。
容姿は、明るめの茶髪でセンター分け。
糸目で開くと青めの黒色をしている。
因みに本中でも語られた様に、側上三つ子兄弟の一番上。と言っても、数分差だが(笑)
蓮、秋桜、椿 となっております。
あー、プロット無しはやっぱりグダグダだなぁ…。