「バラしても構わないですか?」って。
世間様で言う、長ったるい校長のあいさつ……というのはなく、結構フリーダムなこの学園。
校長は短く「入学おめでとう!コレから高等学部生活をエンジョイしてくれ!」と言っただけで終わった。
生徒たちの声は皆「えええええ!?」という驚きと呆れの声だったのは、言うまでもないだろう。
さて、そんな事は置いておいて。
新入生なのにいきなり生徒会長になった琢磨。
代表のあいさつをしていた。
しかし、問題が発生した。
「何故に一年生が生徒会長なのですかっ!!祖父の七光りも大概にしなさい!!」
…とまあ、前生徒会長の柳沢八兵衛が、琢磨の会長就任に猛反対していたのだった。
「困ったなぁ…。」
マイクには入らない程度に呟き、眉を寄せる琢磨。
先生たちも止めに入ろうとするが、なにぶん、暴れている上に、前後左右生徒たちが居て気を使うあまり、下手に手を出せないのだ。
そんな時、琢磨は吹雪と目があった。
「はぁ…頼めるか?」
琢磨はそう口パクで伝えると、吹雪は重たい腰をあげた。
スタスタと歩く吹雪。
生徒達は皆、道を開けて行く。
男女関係なく、頬を染めて。
そうして、吹雪は八兵衛の所に辿りついた。
「三年C組出席番号48番、柳沢八兵衛。」
凛とした声が響いた。
その声で体育館は静まり返る。
誰かの腹の音まで聞こえてきそうだ。
「確か、貴方は前会長、でしたよね?」
「な、何でそんな事…っ!」
八兵衛も例外ではなく少し頬を染めた。
吹雪は営業スマイルを浮かべると、誰にも聞こえない様に口を八兵衛の耳に寄せて囁いた。
「 」
赤かった頬は一瞬にして青ざめ、そして煙をあげそうなくらいに真っ赤になった。
「なっななななっ!?何でそんな事を知ってええええええええ!!?」
吹雪はにっこりと笑って、
「バラされたくなければ、分かりましたね?」
勢いよく何度も頷く八兵衛。
…何を言ったんだ。と周りは、内心、八兵衛に同情した。
そうして、ハプニングがありつつも、入学式は終わった。
【結局は波乱の幕開け。】
(…なあ、吹雪。お前、あの人に何言ったんだよ?)
(え?そんなの、「前会計の桃山夕子さんに思いを寄せていた、という事をバラしても構わないですか?」って。)
(うわぁ…(色々と本当にすみません柳沢先輩…。同情します。))
はい、一発キャラって言うのが出てきました(笑)
名前:柳沢八兵衛
性別:男
誕生日:8月4日
血液型:A
身長:166cm
体重:54kg
元会長。
とても真面目で自尊心が強い。
稀に見る七三分けの瓶底眼鏡というスタイル。
制服もきちんと上まで閉めて、ネクタイもきちんと上まで閉める、苦しくないのかよ?っていう位の真面目さ。
メガネを取ると、実は…?
まあ、多分もう出てこないとは思いますが(笑)
しかし、個人的にはこの人好きなんだよなぁー(笑)