序章……つまらない人生
どうも、西内京介です。
すいません、早速投稿しちゃって。
大胡が國藤を殺害した動機が分かりづらいということなので、大胡が殺人鬼に至るまでの過程を、書こうかなと思いました。
これから書き始めるので、少し時間がかかるかと思うのですが(一応受験生なのもので、勉強を……)、温かい目で見守っていただければ、非常にありがたいです。
皆様のご期待に添えるか不安ですが、大胡の生い立ちを書きました。ぜひ、読んでいってください!
俺は、何が楽しくて生きているのだろうか。
そればかりが、どうしても頭から離れない。
生まれた時から、欲しいものは全て与えられてきた。父親が、大手企業の社長であったおかげで、何不自由のない生活を送ることが出来た。
端から見れば、俺は人生の勝ち組なのかもしれない。
自分でいうのもなんなのだが、俺は頭がよくて、運動神経も抜群、容姿も人並み以上ということで、女子から絶大な人気を得ていた……と思う。毎日、学校に着いた時や下校するときに靴箱を開けると、何通ものラブレターが入っていたから、おそらくそれは勘違いではないだろう。
別に欲しいとも思わなかったが、一応経験しておこうと思って、小学六年生の頃に俺は一人の女子と付き合った。頭はそこそこよくて、容姿もまあまあな子。
しかし、その子とは三ヶ月付き合って別れた。当然、俺からふった。その子と一緒にいても、何も楽しいことなんてなかったのだ。何のメリットも、その子から得ることはできなかった。
どうして皆、女子と付き合うのか理解できなかった。その日以来、俺はいくらアプローチされても女子と付き合わないと、心に固く誓った。
……話が少しすれたかな。
女子の話はどうでもいい。結論から言うと、俺の小学校時代は最低だった、ということだ。楽しい思い出なんて、何一つない。
俺が求めていた答えが見つかったのは、中学に入学してから数ヶ月が経ってからだった。
入学当初、俺はまたつまらない人生を過ごすのかと、半ば絶望していた。中学の面子も、小学校の連中と変わらない。俺は、大きな変化なんか訪れないだろうなと、思っていた。
そんな時、やつは現れた。名前は、川原健人。他の小学校から、俺の通う神南中学に入学してきた、数少ない内の一人だった。
他の小学校から来たせいなのか、それとも人付き合いが苦手なせいなのか、あいつにしばらく友達が出来ることはなかった。あいつと同じクラスだったから、よく分かる。
だから俺が、友達になってやった。不本意だけどな。俺から声をかけた時、あいつは泣きそうな顔していたよ。友達が出来たことが、そんなに嬉しかったのかね。それとも、俺みたいな人気者に声をかけられたからなのか、そこらへんは定かではないが、やつのあの時の顔は、今でもよく覚えている。
俺が、どうして健人なんかと友達になったか分かるか? ちゃんとした理由があるんだよ。俺にメリットが生じる理由がな。
その理由を話す前に、先週ぐらいにテレビで見たことを話そうか。