「子はかすがい」と言うけれど
この物語を……辻堂安古市 様 作 「葬り酒 (はぶりざけ) 」https://ncode.syosetu.com/n5643ki/
へ勝手に捧げます(^^;)
昔、お付き合いをなさっていた女友達を亡くされた方のエッセイを読み終わって……
私はため息をついた。
花粉由来じゃない涙が、右の頬を伝うのが分かる。
だって窓の外は雨で……
私は今、乾燥機を回しているのだから。
好みのバラバラな夫と子供達への朝食の準備から始まって……
「今日は雨が降るのだから」と折り畳み傘を押し付け、彼らをドアの外へと放逐し、腕まくりする勢いで掃除を始めて洗濯機も三度回した。
少しばかり顔を見せていた太陽が黒い雲に隠れてしまうと……じきに雨が降り出した。
洗濯物の全部を乾燥機にかける訳には行かないから……帰って来る子供達の“導線”を頭に置きながら室内物干しを設置する。
たちまち柔軟剤の香りが部屋中に溢れ出したので……私はこの“現実”からほんのちょっぴり逃避したくて……お歳暮の残りの“個包装ドリップコーヒー”をカップに引っ掛け、タブレットを立ち上げ小説投稿サイトにアクセスしたのだった。
で、ダイニングテーブルの上に乗っかっている箱ティッシュから一枚抜いて頬に当て、また私はため息をつく。
“この方”がお友達とお付き合いをなさっていた中学生の頃には……私は『恋に恋する』クチで……そこから一歩踏み出したのは高2になってから。
色んな好奇心と周りの状況に背中を押されて“橋を渡った”けど……
甘い露をくちびるやカラダに感じたのは……触れる前までだった。
それから夫に至るまでは……
何だか、じゃんけんを繰り返していたみたいだ。
そう……ズルもしたし、ズルもされた。
夫にも……ズルをしたのかされたのか……
長く付き合った人と別れた後、カレと付き合い始めたのだけど……
私も結婚を焦っていたし……
“中出し”を拒みきれずに一輝を身籠った。
でも、できちゃった婚に持ち込まれたのは……
結局、カレの後出しじゃんけんで……
私達の新居がカレの実家の目と鼻の先と聞いて、お母さんが悲鳴を上げたのを
今でもよく覚えている。
夫が左遷で転勤の憂き目に合わなかったら……今頃は毎日が地獄の日々だったのだろう。
「子は鎹」って言葉があるけれど……
そこには親子の美しい情愛があるとは限り無い。
“肉欲”や“打算”や“欲得”が膠の様にベッタリとくっ付いている事も……
決して少なくは無い!
少なくとも“私達”の場合は……ね。
だからこそ……私はこのエッセイの
儚い美しさに
泣かされたのだと思う。
さあ、コーヒーブレイクはここまで!
例えアッチはまるっきりご無沙汰だとしても……
私には“家事”と“パート”と言う主婦のお勤めが待っているのだから!
おしまい
※ この物語の方はフィクションです(^_-)-☆
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